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社会ノマド、社会の窓、流浪しながら漂泊する社会を見つめます

セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業

  

【女性記者に性的トラブルは付き物?】 

 オイラの好みのタイプの全国紙20代独身女性記者が取材に来て、一目惚れしてしまった。何度か取材のやり取りをするうちに、時々2人きりで飲みにいく関係になった。どうやら、この女性記者も愚生に好意を持っているようだ。

 

しかし、冷静に考えねばならぬ。妻子からクサい、キモい、ウザいと四六時中面罵され、うだつの上がらないオイラなんぞに、彼女が好意を寄せるなんて93.1%以上の確率であり得ず、所詮愚かな勘違い男の妄想に過ぎぬだろう。おそらく記者は、オイラのことを何でもしゃべる便利で軽い情報提供者としか見ていないに違いない。

 

でもでもでも、可能性は非常に低いだろうが、も、もしかして彼女もオイラのことを気に入っていたとしたら、相思相愛だ。酔った勢いで記者にコクって、合意の上で男女の関係になれば、めでたく不倫カップルの誕生だ。だ、だけど、レイプ魔・山口敬之みたいに強引にホテルに誘っちゃうと、お縄を頂戴しかねない。どちらに転んでも、身の破滅につながる超ハイリスクな営為であることは論をまたない。

 

小心者のオイラには、とてもとてもとてもそんな度胸はないけれど、世の中、女性記者とコトに至ってしまったオッサンは少なくないようだ。小生の見立てでは、女性記者という職業は、最も性的トラブルに巻き込まれやすい職業の一つである。てなことで、今回は、女性記者にかかわるセクハラ、わいせつ行為、不倫などの性的トラブルが発生する構造的要因について考えてみる。

 

【女性記者の社会的イメージ】 

大物政治家や高級官僚、警察幹部、大手企業幹部などなど情報を持つオジさん達から特ダネを取るために、日夜、マスコミ各社は熾烈な取材合戦を繰り広げている。有力者の周辺には、金魚のフンのごとく、大勢の記者が付いて回ることもある。しかし、さすがに大物になればなるほど、めったなことでは口を割らないものである。そこで、大手マスコミが投入するのが、才色兼備の若手女性記者という訳だ。男性記者には見向きもしないオジさん達も、胸元をかすかに露出し色目をつかう美人記者が相手とあれば、つい口がすべってしまいがち。「くノ一作戦」と呼ばれることもある。「女の武器」を活かした「枕取材」を仕組むツワモノ女性記者も少なくない。

 

これが、一般に流布している女性記者に関するイメージだろうか。確かに、民放キー局の女性記者はモデル並みのルックスである。民放キー局と比べるとやや劣るものの、NHKや地方放送局の女性記者も美人揃いだし、新聞系の女性記者も概して高偏差値集団(ここでいう偏差値が学力ではなく容姿を指していることは文脈上自明であろうが念のため付言)である。

 

そんな彼女達が、取材過程において下半身トラブルに巻き込まれたり、トラブルの源となる可能性が非常に高いことは容易に推測できるところである。トラブルの内容は、女性記者がわいせつ行為やセクハラの被害者となるケースと、女性記者の同意のもとでの不適切関係(いわゆる不倫)のケースに大別できる。

 

夜討ち朝駆け取材がもたらすセクハラ・わいせつ事件】 

このような女性記者を巡る下半身トラブルの温床となっているのが、「夜討ち朝駆け」という取材活動だ。夜討ち朝駆けとは、政治家や官僚、警察幹部など取材対象者の自宅前に張り込み、帰宅や朝の出勤時を待ち受けて行なう取材様式のことを指す業界用語である。

 

日中のオフィスでの取材時にはガードが固く、通り一遍の応答しかしない取材対象者が、自宅を訪問する記者には心を開いて思わず核心情報を漏らすこともある。もちろん、見ず知らずの記者が自宅を訪問したところで、重要情報を手にすることができるものではない。

 

足繁く議員宿舎や官舎に通い、取材対象者にちょっとしたプレゼントを持参したり、とりとめもない会話を繰り返すうちに信頼関係を築くことで、ようやく特ダネ情報をいただけることがあるのだ。

 

記者が男性であろうと女性であろうと、記者と取材対象者の相性や波長が合うかどうかによって、記者がゲットできる情報の密度に格段の格差が生じる。が、客観的事実として、男性が管理的地位を独占する日本社会において、若い女性記者が情報入手力という点で有利な立場にあることはあながち否定できないだろう。だが、そこに陥穽がある。

 

県警監察課によると、奈良氏(長崎県警捜査2課長)は5月上旬と下旬の計2回、夜間に取材で官舎を訪れた記者を室内に招き、「ネタが欲しいか」などと言って髪を触ったり肩を抱いたりし、性的関係を求める発言もした。少なくとも1回は酒を飲んでいた。

奈良氏は事実関係を認め、「記者に好意を持っていた。休みの日も官舎に来るので自分に好意を持っていると思った。セクハラとの認識はなかった」と話しているという。

(<引用>2006年9月15日読売新聞)

 

これは、やや古い事例であるが2006年9月に明るみに出た、長崎県警捜査2課長(警察庁準キャリアで県警に出向中の御方)による民放女性記者へのセクハラ事件に関する新聞記事からの抜粋である。「休みの日も官舎に来るので自分に好意を持っている」と思い込んだ察庁エリートの勘違いぶりには呆れるばかりである。だが、この2課長を非難するだけでなく、女性記者が招きに応じ、不用心に部屋に立ち入ること自体、情報を取るために体を差し出すのに等しい軽率な対応ではないかとバッシングする向きもあろう。

 

だけど、政治家や警察幹部など夜討ち朝駆け取材の対象者の自宅においては、男女を問わず、馴染みの記者が入室し、時には仲良く酒を交わすことは日常茶飯の光景である。たまたま家族が不在の日に、取材に来ているのが若い女性記者1名であり、ほろ酔い気分の中で、男のサガとして、下心でついつい記者に手を出してしまう…。

 

これが女性記者を巡るわいせつ・セクハラ事件の構造的背景である。情報を持つ取材対象者と情報を欲する記者という歴然たる権力勾配が存在する中、夜討ち朝駆け取材というわが国独特の取材形態が続く限り、今後も、女性記者達がこの手のスキャンダルに巻き込まれ続けること必定である。

 

【ハニートラップ、くの一作戦、枕取材、は実存するのか?】 

ここまで、女性記者が被害者となるセクハラ・わいせつ行為が発生する理由について見てきたが、次に、女性記者が被害者ではない様態、すなわち男女の合意に基づく下半身トラブルについて考えてみよう。女性記者と取材対象者との合意に基づく男女関係は、大きく2つに大別できる。すなわち、女性記者が取材対象者から情報を入手することを意図した愛のない関係と、かかる意図を有しない愛のある関係だ。

 

前者は、いわゆるハニートラップにより取材対象者を誘惑し、性的関係を利用して情報を引き出すもので、俗に「くノ一作戦」「枕取材」と言われる様態である。同僚の若手女性記者が、いとも簡単に取材先から情報を引き出してくるサマを見て、男性記者たちは、ヒガミ・ヤッカミ半分で「女はいいよなぁ」「あいつはネタを取るため寝たに違いない」といった陰口で日々盛り上があっている。

 

しかし管見では、少なくとも大手マスコミの正規職員の女性記者には、露骨なハニートラップを仕掛ける記者は存在しない。そこそこルックスが良く、大手マスコミの記者とあれば、体を差し出さなくても、おじさん達は、口が軽くなってポロリと内密情報をしゃべってしまいがちである。一方、見てくれがいま一つであったり、タカビーで性格が悪いため、ネタが取れず使い物にならない記者であっても、正規職員であれば閑職ポストや僻地の支局に左遷されることはあれクビになることない。他の業種同様、正規職員は守られた存在なのだ。

 

その点、契約記者やフリー記者は、組織の後ろ盾がないため、専門性を売りにするかスクープを連発しなければ生き残っていけない。メディアの世界の熾烈な生存競争を勝ち抜くため、女の武器を活かして枕取材を仕掛ける女性記者が出現する。ともあれ、ハニートラップで愛のない関係を築ける女性記者は、得てして上昇志向や芯の強い野心家である。

 

【地方勤務の若手女性記者が陥る不適切異性関係】

 次に、取材対象者の男性と女性記者が愛のある関係に陥るケースについては、大きく2つの典型的パターンがある。パターン1は、入社間もない20代女性記者と地方の警察関係者などとの関係。パターン2は、入社10年程度の中堅女性記者と超有名人との関係だ。順に見てみよう。

 

まず、パターン1について。全国紙や通信社、NHKでは、東京で一括採用した新人記者を、最初の数年間は地方支局に配属し、サツ回りなどを経験させて、記者のイロハをOJTで鍛えるのが通例である。最初に配属された初任地で、どんな上司にめぐり合い、どんな事件に遭遇するかで記者人生が決まるといっても過言ではない。

 

人柄がよく、指導力の高い上司に恵まれると、記者として著しい成長を遂げることになる。だが逆に、横柄でパワハラ系の鬼デスクの配下となって罵倒され続けると、気弱で控えめな新人記者であれば、心身とも憔悴しきってしまう。馴染みのない土地で心細く一人暮らしを始め、悩みを相談する友人もいない。

 

このような孤立無援の状況下で、「ツベコベ言わず、夜討ちして来い。相手と寝たらネタ取れるぞ。」とパワハラ・セクハラの罵声を浴びながら取材先に向かう。そこで出会った取材対象者が、上司とは正反対の温和で誠実なジェントルマンだとしよう。見てくれは冴えなくても(仮にハゲ・デブ・チビでも)、上司からイジメの悩みを打ち明け、親身に相談にのってもらっているうちに、取材対象のオッサンが頼もしく格好良く思え、いつしか恋心が芽生える。

 

取材対象者の男も、若い女性から慕われハッピー。かくして、心だけでなく体も許しあう関係に発展する。「悩める乙女が親身な男性に惚れる」という恋愛成立の典型的パターンの1つであり、ハニートラップ的要素が全く介在しない純愛なのだ。このパターン1は、地方勤務中の新人記者が恋愛経験の少ない地味系のおとなしい女性の場合に生じやすい関係である。

 

【東京で活躍するアラサー女性記者が陥る不適切異性関係】 

それに対し、パターン2は、地方勤務が明けて東京に戻った後の30前後の女性記者が陥りやすい関係である。地方で数年間を過ごし、記者としてのノウハウを一通り身につけ、自信に満ちた状況で東京本社に戻ると、熾烈な競争が待ち受けているものの、業界人以外には想像できない浮世離れした「優雅」な生活環境が待っている。

 

政治部に配属されると、(1年間、総理番として官邸ロビーのジベタリアン生活を経て)各省大臣や幹事長、派閥の領袖など大物政治家、各省の事務次官や局長・官房長など高級官僚に寄り添って情報をゲットするのがお仕事である。経済部に配属されると、日銀総裁経団連会長、トヨタや重工をはじめする巨大企業の経営者がカウンターパートである。運動部なら錦織圭大谷翔平羽生結弦の担当になり、四六時中張り付き、恋人や家族以上に生活時間をスーパーヒーローと共有することとなる。文化部・学芸部では売れっ子作家や有名芸能人との交流が密になる。

 

いずれの部署に配属されようと、各分野の第一人者、日本はおろか世界でもトップクラスの有名人が取材相手となるのだ。地方勤務で鍛えられ、プライドも高くなり、同じ年頃のそこそこ仕事ができる超イメケンには全く魅力を感じないアラサーの女性記者であっても、取材対象であるビックネームからディナ-に誘われ、成功談義を聞き入るうちに、相手に憧れを抱き、抱かれたいという気持ちになっちゃう訳だ。かくして二人は情を交わすのである。

 

ところで、パターン2についても、ハニートラップ的要素のない無償の純愛関係が継続する場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。女性記者の方は、自由恋愛のつもりでいて、時に相手から提供される内密情報をもとにスクープを飛ばし、仕事もプライベートも満たされ至福の境地に浸っているかも知れない。

 

だが実際のところは、老獪な大物に弄ばれ、情報提供者として利用されていることもあるのだ。独自取材やタレこみにより、マスコミには政治家や芸能人のスキャンダル情報、政党・企業の機密情報などが膨大なデータが集積している。かかる事実を熟知する狡猾な大物は、女性記者に接近して逆ハニートラップを仕掛けるのだ。

 

そんなことを微塵も感じない女性記者は、ハニーから時々、小ネタの提供を受けつつ、自覚のないまま、返礼として、量と質の両面で、相手から提供された情報をはるかに上回る重要情報をハニーに譲り渡してしまう。不倫相手が政治家であれば、政敵のスキャンダル情報を、大企業の幹部であればライバル企業の機密情報を、恋に溺れた女性記者は提供し続けることになる。

 

【さいごに】 

一時期、3K(きつい、汚い、危険)という言葉がハヤったが、新聞記者は3K職業の王者と言っても過言でないであろう。原稿締切時間を絶えず意識しながら取材と執筆に忙殺され、大きな事件事故が発生すると、24時間フル勤務が何週間も持続する。災害現場での取材では、女性記者であっても、汚水・泥まみれの中をネタ探しで歩き回り、野糞・風呂無しの生活に数日耐えねばならぬ。「汚さ」という点では、同業他社はおろか社内同僚とも、ネタの奪い合い、騙し合いは日常茶飯の薄汚い業界である。取材相手などから逆恨みで身の危険を感じることも珍しくない。

 

加えて女性記者は、小稿で触れてきたとおり、取材対象者からセクハラ、性的暴力を受けたり、取材相手と不倫関係に陥るなど、性的トラブルに遭遇する危険性とも常に向い合せである。

 

3Kである一方で、記者は依然として人気職種である。名刺1枚を差し出せばどれほどのビックネームであれいとも簡単に面会できる特権性、一本の記事が社会変革の突破口になりうる社会的影響力の大きさや達成感、取材先や読者から喝采を浴びたときの充実感など、他の職種では到底得られない快楽、やり甲斐のある仕事だからである。

 

で、この原稿って何が目的だったのか、書いているうちに筆者にもわからなくなってきたが、そうだそうだ、取材を受けて知り合った女性記者に惹かれたんだけど、彼女の苦労や苦悩、社会的貢献の大きさに思いを巡らすと、チョッカイを出そうという気が失せてしまったのでありまする。結語1。

 

読者の中には、オイラのように、取材で知り合った女性記者と一線を越えた関係を妄想しているダンナもいるかも知れまへんが、悪いこと言いまへん、よしときなはれ。相手は記者に限りまへんが、性的トラブルの当事者になるべきではありまへん。結語2。

 

あるいは、読者の中に、女性記者や、記者を志願する就活中の女性がいたら、是非とも、性的トラブルのリスクが極めて高い職種であることを肝に銘じ、トラブルに巻き込まれない万全のリスク管理を講じられるよう忠言いたします。結語3。 

 

 

【当ブログ内の関連記事】

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要
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・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300


・女性記者不倫事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/06/03/194500


・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号
 加害者が自殺した二重に悲劇の事例①
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・女性記者セクハラ被害事件簿 第14号 
 加害者が自殺した二重に悲劇の事例②
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300

 

・1993年からの第1次女性記者セクハラ問題ブームを振り返る

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/25/030210