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社会ノマド、社会の窓、流浪しながら漂泊する社会を見つめます

企業主導の医師向けHPVワクチン大キャンペーンが始まった!

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医師限定情報サイトm3による9月3日開催のHPVワクチン講演会の広報

 

はっきり言って、オイラはHPVワクチンの議論には、全く興味がない。健全な批判的理性でもって判断すれば、現行市販されているHPVワクチンなるもの、人に対する発がん抑制効果は何ら実証されておらず、一方で、様々ないかがわしさを孕んでいることは自明であるからだ。効く証拠なんてないじゃん。絶対に絶対に、自分の娘には接種させない。

 

だけど、権威主義の塊であり自分で物事を深く考える能力を著しく欠損した気の毒な人たちが、HPVワクチンなるものの有効性を妄信しこれを推進しようと企てている状況にある。こんな連中を相手にするのは馬鹿馬鹿しいことであり、本ブログではHPVワクチンには一切関わってこなかった。

 

HPVワクチンの胡散臭さを論じるだけ時間の無駄であるが、とはいえ、HPVワクチン推進派の人たち(MDおよび彼らにソソノかされたヤカラ)のSNS上のつぶやきを興味本位でごくたまに覗いている。最近感じることだが、ワクチン推進派の人たちの書き込みの質は、日に日にオゲレツ化、カルト化しているではないか。悲痛な声でワクチンによる被害を訴える人たちに対し、寄り添うことなく上から目線で小汚い言葉で人格攻撃をしたり、HPVワクチンを接種しないことは大量虐殺行為だと述べたり、接種を再開しなければ日本民族は滅亡するなんてことを平然と主張したり、で。正直、奴らはイカれているとしか言いようがない。

 

ぐら糞スミ○クライン社やメ○ク社が、HPVワクチンの日本市場を開拓するため、某広報会社を迂回して多額の資金を投入し、露骨な政界工作、メディア工作、学会工作、インフルエンサーを積極登用したプロパガンダを続けてきたことは、改めて説明するまでもない。されども、日本政府がHPVワクチン接種の勧奨を一向に再開しないことに、両社の本社上層部は怒り心頭で、日本法人やブローカー達の焦りも益々強くなっていると聞く。そのためか、やることなすこと、益々見境がなくなりつつあるようだ。

 

インフルエンサーとして、オゲレツな中村理子やホリエモンBuzzfeed Japanや医療ガバナンス学会に吼えさせたところで、日本における世論誘導戦略は完全失敗で、むしろ逆効果だということに、愚かにも奴らは全く気がついていないらしい。

 

そして今般改めて、医師限定情報サイトを活用した医師向け大規模キャンペーンを開始したようだ。日本には、m3(エムスリー)、メドピア、ケアネットといった医師免許保有者に限定した会員制情報サイトが幾つか存在するが、その中でも最大手、m3は公称で27万人の会員を擁しているらしい。事実だとすれば、日本の医師32万人のうち、約85%がm3の会員ということになる。

 

で、この医師限定会員制情報サイトm3において、来る9月3日19時から、MSD株式会社の提供により「HPVワクチンOnlineセミナー」を大々的に開催するらしく、2~3日前から、ド派手に広報を開始したようだ。このセミナーは、いわゆるe-ラーニングであり、各会員がWebで閲覧する形式のもので、閲覧した会員には、アマゾンクーポンなどに引き換え可能なポイントが付与される。

 

医師会員が、m3のサイトにログインすると、トップページには、バナー広告的に、HPVワクチンOnlineセミナーのお知らせが同時に大きく3箇所にも登場する。このセミナーの予約ボタンをクリックするまで、医師会員がm3を閲覧する限り、延々とHPVワクチンOnlineセミナーの案内を目にさせられるウザい仕掛けになっているようだ。

 

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m3のトップページには、3箇所もセミナーの広告が…

7月26日(金)の時点で11300人の会員がWebセミナーの視聴予約していたのが、27日(土)までに計32300人に予約者が増加しており、27日のいちにちで2万以上の医師がこのセミナーを予約したようだ。おそらく、本日28日も休日であり、m3にログインして新規にセミナー予約している医師会員は少なくないだろう。

 

成功報酬として、予約・視聴者数が増加すればするほど、MSDからエムスリー社への支払われる謝金は、指数関数的に増額される契約になっているのだろう。ド派手なウェブサイト上の広報からは、MSD、エムスリー両社の痛々しいまでの必死さがひしひしと伝わってくる。ちなみに、MSDでは、厚生労働省出身の医師がHPVビジネスの責任者を務めているらしい。

 

ここで問題です。このHPVワクチンOnlineセミナーの講師は誰でしょう?

(擬音)チッチッチッツ、ピンポーン、答えは、恐れ多くも、長崎大学小児科学教授の森内浩幸センセイであられます!


9月3日の森内センセイのセミナーの概要について、m3の案内では次のように述べられている。


子宮頸癌はHPV感染によって引き起こされ、国内で約3000人の女性が毎年亡くなり、各種癌の中で唯一死亡率は増加傾向にあり、又発症の若年化が進んでいます。特に20~30代の女性にとっては最も多い癌であり、若くして命を失ったり、助かっても子どもを産むことができなくなったりしています。世界中の多くの国々でHPVワクチンが普及し、子宮頸癌は撲滅できると予想され、日本だけが取り残されようとしています。

 

森内浩幸センセイといえば、BuzzFeed Japanの岩永直子ちゃんが読売新聞東京本社を退職し、BuzzFeed Japanに転職するきっかけを与えてくれた、岩永ちゃんにとっては命の恩人の尊師様のような存在だ。

 

岩永直子ちゃん曰く、
「森内先生のHPVワクチンの記事は、前職で上層部から「不適切」と判断されて削除され、大変悔しい思いをしました。バズフィードでもう一度寄稿していただいて、感無量だったのを覚えています。」
「前職でHPVワクチン特集を組んでクレームが殺到し、会社から地方異動を命じられたことを面接で話したのに採用したバズフィードは肝が据わっていた。ここでHPVワクチンの記事を出し始める時「会社にクレームが来るかも」と事前に古田編集長に伝えたら、伝えるべきと思うことを書けと逆に励ましてくれた。」
とのこと(いずれも7月27日のツイートから転載)。

 

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ここで、岩永ちゃんが言及している「森内先生のHPVワクチンの記事」とは、BuzzFeed Newsのサイトに2017年12月14日に掲載された「根拠なきワクチン批判で救える命を見殺しにしないで」という記事のようだ。
https://www.buzzfeed.com/jp/hiroyukimoriuchi/hpvv-moriuchi-1

 

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森内センセイのバズフィードのこの文章、論理学的に読解すれば、新興宗教団体が勧誘した者を洗脳し入信させるための技法が駆使された洗練された文章であることが見て取れる。文章の冒頭部分で、ワクチンとは直接関係しない、誰もが疑義を差し挟まないリスク認知に関する当たり前のことを上品に口上して読者を惹きつけて筆者に対する信頼感を醸成した上で、中盤あたりから「助かったはずの命 VS マスメディアの報道」といった二項対立を煽り、大竹しのぶ坂井泉水里中満智子仁科亜季子三原じゅん子向井亜紀森昌子和田アキ子など有名人の名前を連呼しながら、HPVワクチンの無謬神話を刷り込んでいく見事な扇情文である。

 

ワクチンの有効性について何ら科学的根拠を示すことなく恣意的な数字を提示し、一方で、対象となる感染症のそもそもリスクを過大に捉えて不安を煽り、他方、健康被害については、単なる紛れ込み例であるとの先入観による決めつけとゼロリスクは存在しないという開き直りで、被害を訴える子ども達に真摯に向き合うという科学者としての良心や誠実さが微塵も感じられない。

 

小児感染症については専門家かも知れぬが、森内センセイに、HPV感染症について堂々と専門的に語る専門性があるとは思えない。センセイの専門領域の主張もデタラメだ。「わが国でヒブワクチンが導入されたのは、米国に遅れること21年。この間にわが国では非常に多くの子ども達がHib髄膜炎で命を、または聴力やその他の機能を失いました」とノタまっているが、「非常に多くの子ども達」と情緒的表現で誤魔化さず、具体的に何人か数字で示せよ。日本は、ヒブワクチン導入前から、他の先進国と比べ、Hib髄膜炎の発症率は十分低かったはずだ。素人だましは止めましょうよ。

 

こんな杜撰な雑文を、読売新聞社が掲載を拒否るのは当然ではないか。これを名文と思う輩は、よっぽどサイエンス・リテラシーが低く、まんまとマインド・コントロールを受けちゃっているというほかない。こんなロクでもない文章を評価して掲載にこだわる記者を、大手新聞社が医療担当部署からお払い箱にするのは、あまりにも当然のことではないか。

 

で、2017年12月14日付の森内センセイの文章の末尾に、以下のような文章が付記されている。


付記:筆者はHPVワクチンの製造販売企業を含め、数多くの企業が共催するワクチン啓発活動に係わり、正当な対価を得ています。しかしその行動原理はただ一つ、ワクチンという最善の医薬品によって病気を防ぎ命を守ることに可能な限り貢献したいからです。特定の会社の特定のワクチンの宣伝のための活動をしたことはなく、これからも一切しません

 

へえ~~。森内センセイ、「特定の会社の特定のワクチンの宣伝のための活動をしたことはなく、これからも一切しません」と断言しちゃってますよ。大丈夫なのかしら。ともあれ、9月3日に、MSDがスポンサーのm3のライブ講演で、森内センセイが何を語るか注目しようではないか!!

 

 

《訂正とお詫び(7月29日)》

当初、この記事を掲載した際、確定的情報ではないと断りつつ、某社では「厚生労働省を最近退職した女性医師をHPVワクチン推進の責任者に就けて」いる旨を記載しておりましたが、確認した結果、厚生労働省を最近退職した女性医師がワクチン部門責任者に就いているのは、HPVワクチンを扱っていない別の外資系製薬企業であり、筆者の事実誤認であることが判明しました。該当部分を削除するとともに、誤解を与えたことについて、関係者に、深くお詫びを申し上げます。