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女性記者不倫事件簿 番外編(長崎県警女性警部と男性記者との逆ハニトラ事案?)

本ブログでは、女性記者が、取材相手である警察官や政治家、官僚などからセクハラや性暴力(レイプ)を受けたり、取材相手と不倫関係となる中で情報の供与を受けた(かも知れない)数々の事例を紹介してきた。それに対し今回紹介するのは、これらとは逆ベクトルで、男性記者が、取材相手である女性警官と不倫関係となる中で情報の供与を受けた事案である。


【男】長崎新聞の記者(29歳)


【女】長崎県警本部の警部(47歳)


【事案の概要】

本件は長崎県警が2021年3月5日付けで、40代女性警部を地方公務員法守秘義務)違反疑いで書類送検されたことなどを共同通信が配信したことにより、全国的に話題となった事案である。

 

まずは、同日付の共同通信記事を転載する。

 

長崎県警の女性警部、不倫相手の記者に情報漏えいか(共同通信
2021年3月5日配信


長崎県警は5日、不適切な交際をしていた報道機関の男性に捜査情報を漏らしたとして、地方公務員法守秘義務)違反の疑いで、本部勤務の40代女性警部を書類送検した。同日付で停職6カ月の懲戒処分とし、警部は依願退職した。県警によると、警部は警察職員の個人情報などを含む計約10件を男性に伝え、一部は報道された。


県警は報道機関名を明らかにしていないが、長崎新聞社総務局は同社記者と公表。「取材の過程においても報道倫理、社会通念に反する行為が伴うことは許されない」とした上で、謝罪するコメントを出した。


書類送検容疑は2020年8月ごろ、男性に職務上知り得た情報1件を漏らした疑い。警部は「交際を続ける中で、情報が記事化されることが(男性の)喜びだと感じていた」と供述しているという。


県警によると、警部は既婚者で、男性とは19年夏から20年10月上旬まで交際し、20年2月下旬から情報を漏えいした。警部は男性と連絡を取るため、友人に携帯電話を契約させていた。県警は男性側からの働き掛けはなかったとみている。


県警は、2人が県内の観光地で20年1月に食事をしていたとの情報提供を受け、調査していた。北村秀明首席監察官は「情報の厳格な管理と職員の指導監督を徹底し、再発防止に努める」と陳謝するコメントを出した。

 


2人の関係やコトに至った経緯については、「週刊文春」の2021年3月18日号で詳細に報じられているので、引用して紹介する。

 

地元メディア関係者が語る。

「女性警部の不倫相手は長崎新聞の若きエース記者です。書類送検されたのは1件ですが、少なくとも十数件の情報漏洩があったとみられている。お互いに既婚者でW不倫の関係でした。女性は警察学校の教官を務めた経験もあり、ネット犯罪などを扱う生活安全部門や広報課を中心にキャリアを積んできた。警視昇任も視野に入る、女性警察官のトップランナーのような存在でした」

 

 細身の美人と評判だった女性警部は、夫も県警の刑事。彼女を籠絡した18歳下の男性記者について、長崎新聞関係者が明かす。

長崎県出身で、学生時代はサッカー部で活躍したスポーツマン。母親は学校の校長なども務めた教育者で、父親は県職員です。関西の大学を卒業後、スポーツ新聞に入社。阪神タイガース担当でしたが家庭の事情で3年前に地元に戻り、長崎新聞に中途入社しました」

 

 記者として、県警を担当するようになり、ここ1年で特ダネを連発した。

「社内で報道部長賞なども貰っており、上からの評価も高かった。なのに昨秋から署名原稿がぱったり消えたので、どうしたのかと思っていました。彼は自信家で押しが強く、口も上手いのでモテるタイプだと思います」(同前)

 

 2人が不倫関係に陥ったのは2019年の7月頃。

「きっかけは19年6月に、偽サイトを利用して個人情報を盗む詐欺事件の記事を彼が書いたことだったようです。専門知識がある彼女に助言を求め、その打ち上げと称して飲みに誘ったのです。ただ、その時は彼が泥酔してしまい、必死に口説いたものの相手にされなかったとか」(同前)

 

 その後も男性記者は執拗にアプローチ。年齢差もあり、当初は「ネタを取りたいだけ」と警戒していた女性警部だが、いつしか熱意にほだされ、ラブホテルで密会するようになる。

 

 人目を忍ぶ恋の炎は徐々に燃え上がり、夏には福岡の人気海水浴場・糸島まで2人で足を延ばすなどエスカレート。だが、昨年1月、観光地で一緒に食事をしていた2人の目撃情報が県警職員から寄せられる。

「彼女の勤務地である長崎市内とは遠く離れた県南東部の島原で会っていたので疑念を持たれたのです。後に判明したところでは、2人は互いの休暇を調整して福岡や鹿児島へ、さらには関西にまで足を延ばして泊まり掛けの旅行に行っていました」(捜査関係者)

 

 昨春、女性警部の夫が県内の別の市にある所轄署に異動となり単身赴任。以降は2人で過ごす時間が一層増え、男性記者が妻の不在時に自宅に女性警部を招き入れることもあった。彼女の愛情の高まりと軌を一にするかのように、情報漏洩もエスカレートした。

 


【ブログ主のコメント】

本記事の冒頭で述べたとおり、本ブログでは、女性記者が、取材相手である警察官や政治家、官僚などからセクハラや性暴力(強姦)を受けたり、取材相手と不倫関係となる中で情報の供与を受けた(かも知れない)事例の数々を紹介してきた。

 

一般に、政治家や警察官などマスコミの取材源と記者との関係は、情報を持ち提供する側/情報を持たず提供される側という構図であり、前者が圧倒的に優越的な地位にあり、後者は前者への平伏・従属を余儀なくされがちである。(もちろん、局面によっては、立場が逆転することもあるが)

 

前者と後者がともに男性であり、まして、前者よりも後者が年上であったとしても、前者の優越性が揺らぐことはないが、情報を持ち提供する側/情報を持たず提供される側という権力勾配の存在下で、前者が男性で後者が女性、おまけに前者が年上、後者が年下のような場合、セクハラの温床となるであろうことは想像に難くない。

 

あるいはまた、情報を持ち提供する側/情報を持たず提供される側という権力勾配のもとで、かつ、前者が年上の男性、後者が年下の女性の場合において、後者が前者に敬意や慕情を抱いた場合には、いとも簡単に不倫が成立する。

 

女性の社会進出が一層進み、女性記者がますます増加する中で、近年マスコミ各社では、自社の女性記者が取材対象者とセクハラや不倫などの下半身トラブルに巻き込まれないよう、研修や相談支援体制の充実を図っているが、ここで素朴な問いかけが頭をよぎってくる。

 

女性の社会進出が一層進むということは、政治家や警察、官僚組織など典型的な男社会にも女性の起用が促進され、女性政治家や女性幹部が増加していくことが予想されるが、その際において、取材する側が若手男性記者の場合に、情報源たるシニアの女性政治家や女性警察幹部との間において、下半身トラブルは多発するであろうかーーー、という問である。


女の上司(デミ・ムーア)による男の部下(マイケル・ダグラス)への誘惑・セクハラが話題となった映画「ディスクロージャー」が公開されたのは1995年のことであるが、最近日本でも企業内における「逆セクハラ」事例が徐々に増加しつつあるようだ。元オリンピック選手の某女性政治家による権力勾配を利用した男性アスリートへのセクハラも以前話題となった。自民党政調会長たる某女性政治家の男好きは有名な話で、報道各社とも彼女の番記者には、彼女好みのイケメンを張り付けているという。

 

今回取り上げた女性警部と男性記者との不倫、そしてそれに起因する情報漏洩の問題は、従来頻発してきた男性警察官と女性記者による不倫とは逆ベクトルで、我が国では過去に例のない非常に興味深い事案である。女性警部と男性記者のどちら側に、より非があるのか。逆ハニートラップ・枕営業ではないか、といった話題が一時期盛り上がったが、女性の社会進出がトレンドとなる中で、当然に発生が予想された事象といえるだろう。

 

常に女性は社会的マイノリティーであり、性的搾取や抑圧、差別の一方的被害者であることを大前提として「男性による女性支配」を糾弾する批判理論の構築に勤しんできたしてジェンダー陣営の人たちにとっては、女性の社会進出に伴って不可避に生じうるであろう今回のような事案は、従来の理論の綻びを示唆する不都合な真実であり、一方で、ミソジニーの連中は女性の社会進出を批判・揶揄するネタが得られてご満悦に違いない。

 

ブログ主は、どちらの立場にも与することなく、今後も類似の事例が生じるか冷静にウォッチしていきたい。

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第13号
 長崎県警捜査二課長が、女性記者に性的関係を要求
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 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要
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・女性記者不倫事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/06/03/194500


・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号
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・女性記者セクハラ被害事件簿 第29号
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・女性記者不倫事件簿 第5号
 兵庫県警50歳警視と20代女性記者の禁断の恋物語
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