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女性記者セクハラ被害事件簿 第31号(神奈川県警警視が女性記者にセクハラ事案)

【加害者】神奈川県警捜査1課に所属する50代の男性警視(事件当時は、小田原署)

 

【被害者】報道機関の女性記者(詳細不明)

 

【事案の概要】
今回の事案は、2019年8月15日、海老名市内の焼き肉店からカラオケ店への移動時と、カラオケ店内で発生。共同通信と地元・神奈川新聞の記事を引用する。

 

神奈川県警幹部が記者にセクハラ 本部長注意(共同通信

2022/3/17 12:02 (JST)3/17 12:19 (JST)updated

 神奈川県警捜査1課に所属する50代の男性警視が報道機関の女性記者にセクハラ行為をしたとして、県警が警視を本部長注意としていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。報道機関から連絡を受けた県警が調べていた。

 捜査関係者によると、警視は県内の警察署に所属していた2019年8月、記者ら3人と飲食。カラオケ店に移動中、記者の肩に手を回し、キスを迫った。カラオケ店では記者の手を自身の口元に近づけるなどしたという。

 記者の同僚から相談を受けた報道機関が21年8月、県警に連絡した。県警は「非公表事案のためコメントできない」としている。

 

神奈川県警の警視、女性記者にセクハラ 本部長注意に(神奈川新聞)
3/17(木) 19:21配信

 報道機関の女性記者にセクシュアルハラスメントをしたとして、神奈川県警が捜査1課に所属する男性警視(50)を本部長注意としていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、警視は2019年8月、海老名市内で女性記者らと飲食した後、カラオケ店への移動中に女性記者の肩に手を回してキスを迫った。カラオケ店内でも女性記者の手を取り、自身の口元に近づけるなどしたという。警視は当時、県西部の署に勤務していた。

 女性記者が所属する報道機関から21年8月に県警へ連絡があり、監察官室が調査していた。

 同室は「公表案件ではないので、コメントは控えたい」としている。

 

【ブログ主のコメント】

本件は、マスコミ記者との公式・非公式な情報提供の窓口を担う警察署の署長や副署長、県警本部の部課長や管理官クラスの幹部が、日々の取材で接点のある若い女性記者と昵懇の間柄となり、ついつい出来心でセクハラを起こす、というこの業界ではありきたりな事案である。

 

入社後数年間、地方でドサ回り期間中の女性記者のおそらく9割以上が、この手のセクハラを経験したことがあるのではないだろうか。それくらい、男性警察官と女性記者との間ではありふれた日常茶飯の出来事なのだ。

 

マスコミの幹部クラス、あるいは、中堅以上の女性記者たちの本音では、「この程度のセクハラでいちいちコトを荒げていたら全く仕事にならんよ。些細なセクハラは気にせず、おじさん達の機嫌をとって情報をゲットしてこなきゃ、記者として失格だ」という価値観を強固の保持しつつも、タテマエとして、自社の女性記者のセクハラ被害事案があれば、相手先に厳重抗議するのが最近のマスコミのトレンドとなっている。

 

一方で、焼き肉店で飲食の後、カラオケ店への移動中に女性記者の「肩に手を回してキスを迫り」、カラオケ店内でも「女性記者の手を取り、自身の口元に近づけるなど」の行為があったという事案の描写を目にした新聞の一般男性読者の多くは、次のような受け止めをするのではないだろうか。

 

店の移動中に、身の危険を感じたにも関わらず、どうしてそのままヒョコヒョコとカラオケ店について行っているんだよ。身の危険を感じたにも関わらず、その場から逃げなかった女性記者にも非があるのは明らか。もしかしたらハニートラップ/枕営業で、捜査情報の収集をたくらんでいらんじゃないのか、と。

 

逃げなかった女性側にも落ち度がある、という男性的価値観に対し、セクハラ問題の専門家は、フリーズしてしまい逃れられなくなる、あるいは迎合反応という心理機制を主張する。あるいは、取材源と記者という権力勾配の存在により、逃げたくても逃げることができない、という女性記者の置かれた状況も指摘されている。

 

おそらく、今宵も日本のどこかで、男性警察官と女性記者との間で、きっと同様の事案が繰り返されているに違いない。

 

ちなみに、本ブログの女性記者セクハラ被害事件簿第19号で取り上げたが、神奈川県警小田原署では、2015年5月にも全く同様の事案が発生した前歴がある。2020年1月には、小田原署管内で県警警部によるパワハラ事件も発生。まさにセクハラ、パワハラ、小田原署ですな。

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930


・女性記者セクハラ被害事件簿 第19号
 神奈川県警副署長が、全国紙女性記者と酒を飲み体を触る  
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/14/200200

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300


・女性記者不倫事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/06/03/194500


・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号
 加害者が自殺した二重に悲劇の事例①(北海道の事案)
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/03/173500


・女性記者セクハラ被害事件簿 第14号 
 加害者が自殺した二重に悲劇の事例②(長崎の事案)
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300