syakai-no-mado

社会ノマド、社会の窓、流浪しながら漂泊する社会を見つめます

女性記者不倫事件簿 第1号(後編)(今話題の川村昌代氏の過去の疑惑)

f:id:syakai-no-mado:20180522221900j:plain

 

昨日の女性記者不倫事件簿 第1号(前編)では、『週刊現代』2007年1月27日号の「財務省エリート主計官と朝日新聞美人記者の不倫生活」と題する記事において、当時、財務省の主計官であった中川真氏が、週刊誌『AERA』の女性記者Aと深い関係にあると報じられていたこと、そして、中川氏のその後の経歴を提示し、現在は内閣審議官にまで登り詰めているいることを明らかにした。

 

今回は、昨日の続編として、もう一人の当事者である女性記者に焦点を当ててみる。

 

まず、最初に断っておきたいが、筆者は、基本的に個人情報を暴くことを好む悪趣味な人間でない。個人のプライベートは最大限配慮すべき、と考える常識人である。なので、当初は、『週刊現代』2007年の記事で、中川氏と昵懇であると報じられた女性記者Aが、具体的に誰であるかを明らかにすることは控えようと思っていた。

 

だけど、今週発売の『週刊現代』2018年6月2日号の記事を見て衝撃を受け、考えを改めた。女性記者Aの実名をきちんと取り上げるべきだ、と。

 

【『週刊現代』の2007年と2018年の二つの「朝日美人記者」に関する記事】

 

週刊現代』2018年6月2日号の右トップ記事(新聞の一面アタマに該当し、週刊誌が一番目玉と位置づける記事)のタイトルは、「元朝日美人記者が実名告白 「『エロ親父』福田が怖くて、記者が務まるか」。この元朝日美人記者の名前は本文中に出てくるが、川村昌代(51歳)。

 

実は、『週刊現代』2018年6月2日号で、「『エロ親父』福田が怖くて、記者が務まるか」と熱弁をふるっている女性記者、川村昌代氏こそが、な、な、な、なんと、11年前に同じく『週刊現代』2007年1月27日号で財務省主計官中川真氏との特別な関係が取り上げられた女性記者Aの正体なのである!!!

 

 財務省主計官中川氏と女性記者川村氏の2人が、2007年1月9日午後1時半すぎ、川村氏の自宅から楽しげに出てきたところを『週刊現代』が直撃インタビューし、若干言葉をやり取りしているうちに、突然、中川氏がフラと倒れかかって気を失い、救急搬送されたことは前回、昨日の女性記者不倫事件簿 第1号(前編)で取り上げたとおりである。

 

中川氏が病院に救急搬送された後、女性記者A(川村昌代氏)と『週刊現代』記者の2人が現場に残され、取材は続く。

 

-前にも、中川氏と不倫騒動を起こしていますね。

 

A「え~と、それは、誤解されるようなことがあったことはありました。でも、あちらの家のややこしいことに巻き込まれないように、私は中川さんに一筆書いてもらったんです」

 

-不倫じゃないと、一筆書いてもらった?

 

A「そうです。中川さんが、みっともないので返してほしいと言うので、原本は返しましたけど、私も訴訟を起こされたくないので、コピーをとってますよ」

 

-それにしても、取材を受けるために財務省の高官が女性の自宅を訪問するのはおかしい。

 

A「私がお願いしているわけじゃないですよ」

 

-中川さんの一方的な行為で来てくれた?

 

A「そこまでは知りません」

 

-あなたの行動は先日、朝日が発表した記者の行動基準に違反しませんか。

 

A「私、朝日新聞の社員じゃないし」

 

-記者なのだから、基準に拘束されるでしょう。

 

A「拘束されないですよ。行動基準なんて、私見たことないもん」 

2007年当時に、『週刊現在』にプライベートを詮索され、同誌に良い印象を持っていないのではないかと思われる川村昌代氏が、11年後には、『週刊現代』に実名で登場し、政治家と女性記者のセクハラ関係について熱く語っているのは、何とも摩訶不思議なことだ。

 

【ジャーナリスト川村昌代の経歴、人なり】

ここで、女性ジャーナリスト、川村昌代氏の経歴について、インターネット上のオープン情報を基に見てみよう。

 

静岡生まれの愛知県名古屋市育ち。名城大学卒業後、「中部経済新聞」や「月刊時評」、ロイター通信、「週刊文春」や「週刊朝日」、「AERA」の記者などを歴任しているようだ。

 

中部経済新聞」に在籍していたときに受けたセクハラについて、川村氏は、『週刊現代』2018年6月2日号でこう語る。

 

地方の県庁の幹部でしたが、「僕、今日車で来たから送ってあげるよ」と言う人がいました。乗ったらホテル街のほうにどんどん走っていく。おかしいと思って道路のど真ん中でサイドブレーキ引いてやりましたよ。「何するんだ、君!」って言われたけど、「あんたが何してんだ」って言い返しました。そのおじさんはそれからずっとネタをくれるようになりましたけどね。

 

伝説の名編集者花田紀凱氏が『週刊文春』の編集長時代、同誌の専属記者として官庁担当をしていた川村は、数々のスクープを連発し、「四天王の一人」と評されていた。花田氏が去った後、川村も『週刊文春』を去り、週刊朝日に転籍した。

 

2010年5月26日には、川村は、似たキャラの同業者、横田由美子氏と一緒に喜納昌吉ライブにトークゲストとして登場し、沖縄既知移設問題と官邸の裏側をテーマに対談をしているようだ。

 

2017年2月4日に川村は、花田紀凱(元「週刊文春」編集長 現「月刊Hanada」編集長)、元木昌彦(元「週刊現代」「フライデー」編集長)、今西憲之(週刊現代、新潮、朝日などで活躍するフリー記者)、山口一臣(元「週刊朝日」編集長)が司会を務めるニコニコ動画の番組に出演し、「文春砲」の功罪をテーマに討論している。このメンバー構成からも、ジャーナリズム業界における川村の大物ぶりを伺い知ることができる。

 

このように女性ジャーナリストとして業界内で定評のある川村氏であるが、一度、衆院選に出馬した過去がある。2011年4月24日に投開票が行われた衆議院愛知6区補欠選挙で、川村は、河村たかし名古屋市長が率いる地域政党減税日本」から出馬した。川村氏は、河村市長とは十数年前に取材を通じて知り合い、同年2月に出馬を打診されていたという。

 

選挙期間中に、財務省主計官との不倫問題がクローズアップされるなど対抗馬からのネガティブキャンペーンにさらされ、結局は、大きな点差がついて自民党候補に敗北したのであった。

 

ちなみに、川村氏は、Jazz Vocal業界でも名が知られているらしく、ブラジル音楽好きで、夜な夜な六本木あたりのジャズ屋に出没しているとの情報もある。

 

【ブログ主のコメント】

以上、前置きが長くなってしまったが、ここからが本論である。

 

週刊現代』2018年6月2日号の記事の中で、川村氏は、15年前に福田淳一前財務次官と飲んだことがあり、その際、足フェチの福田氏に足を見せたらパクっとかじりつかれた過去があると語る。川村が「くっさ!!」と叫ぶと、二人とも爆笑してその場は終わり。福田前次官とは、今では男女を超えた人間同士の良い関係だと指摘した上で「あんなエロ親父が怖くて記者が務まるかっての。」「ネタはもらいに行くものじゃなくて取りに行くもの」と持論を展開する。

 

このブログ記事の中で、川村氏も主張をもう少し詳しく紹介しようと思っていたところ、今ほどジャスト・タイミングで、プレジデントオンラインに、「記者歴30年で見えた本当のセクハラ 「福田発言」を叩いても女は浮かばれない」」と題する川村昌代氏のコラムが掲載された。『週刊現代』での発言と同趣旨の内容であるが、興味があれば、こちらに目を通すことをお勧めする。

 (参考)プレジデントオンラインにおける川村氏の2018年5月23日付コラム

    http://president.jp/articles/-/25193

 

川村氏が言いたいことは、「女性記者たるものセクハラに耐え、それを逆手にとってネタを取るべし」「セクハラごときでくじける女は記者として失格。女は強くあらねば」ということのようだ。「女性記者たるものセクハラに耐え、それを逆手にとってネタを取るべし」との発想の行き着く先は、「女の武器を最大限利用して、ネタを取るべし」「ハニートラップを仕掛けよ」というラジカルな取材姿勢に帰結する。とすれば、11年前の財務省主計官中川真氏との不倫が疑われる関係も、彼女にとって自らの基本的価値感に照らせば何ら恥じるものではないのであろう。

 

ともあれ、「女性記者たるものセクハラに耐え、それを逆手にとってネタを取るべし」という川村氏の主張は、福田淳一前財務次官によるテレ朝女性記者に対するセクハラ発言を巡る報道を契機として盛り上がる「#Mee Too」運動や反セクハラ運動に水を差す怪しからん見解だと、今後、論壇では批判が集まることが予想される。

 

しかし、筆者は、論壇の優等生的な連中と同じような高い位置から、川村氏を糾弾する意図は全くない。筆者の見解は正反対だ。川村氏は、「強い」女だからセクハラにくじけることなく女を武器に使っているのではない。確かに、彼女は、容姿とコミュニケーション能力に恵まれ、女性ジャーナリストとしては優位性が高かったのは事実である。

 

だけど、彼女は、大手マスコミの正社員ではなく、契約記者という社会的に弱い立場の記者である。会社の後ろ盾のある大手マスコミのぬるま湯につかった正社員記者とは異なり、社会的弱者の契約女性記者は、喰っていくためには、露骨な接触型セクハラにも耐え、女の武器を最大限活用してアグレッシブな取材を展開するしか道はない。

 

週刊誌の契約記者という弱い立場の記者にとっては、記者クラブ制度の特権を享受し、会社にも守られ、しかも高給取りの新聞社やテレビ局の正規雇用記者にジェラシーやコンプレックスを抱くこともあるだろうし、正規雇用の女性記者がちょっとした非接触型セクハラにあってベソをかいている現状に「甘ったれるんじゃねえよ。こっちは裸一貫で、まさに体を張って命賭けでネタを取ってるんだぜ」と憤りを感じるのは無理もなかろう。

 

 このブログの第1号記事「セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業」において、筆者は次のような文章を書いた。

 

少なくとも大手マスコミの正規職員の女性記者には、露骨なハニートラップを仕掛ける記者は存在しない。そこそこルックスが良く、大手マスコミの記者とあれば、体を差し出さなくても、おじさん達は、口が軽くなってポロリと内密情報をしゃべってしまいがちである。(中略)

 

その点、契約記者やフリー記者は、組織の後ろ盾がないため、専門性を売りにするかスクープを連発しなければ生き残っていけない。メディアの世界の熾烈な生存競争を勝ち抜くため、女の武器を活かして枕取材を仕掛ける女性記者が出現する。ともあれ、ハニートラップで愛のない関係を築ける女性記者は、得てして上昇志向や芯の強い野心家である。

 

この文章は、川村氏のような具体的な人物を想定して書いたものではなかったが、改めて読み返すと、まさに、川村氏のような契約記者のリアルを言い当てているではないか。

 

今週販売の『週刊現代』や『プレジデントオンライン』におけるセクハラ問題に係る川村氏の「毒を吐く」ような強烈な自己主張は、自らの発言がジャーナリズム論壇で批判を集め、自らの知名度が上がることを期待しての確信犯的売名行為であろうと推察される。

 

さらに言えば、『週刊現代』2007年1月27日号における財務省主計官との不倫疑惑報道は、もしかすれば、川村昌代氏の自作自演ではなかったのか、という気もしてくる。高級官僚との不倫疑惑が報じられて自らが被害を被るディメリットと、不倫疑惑が報じられることによりジャーナリズム業界における自らのプレゼンスが上昇し、かえってジャーナリストとしての評価が高まるメリットを比較考量し、後者の可能性が高いと緻密に計算した上で、週刊現代にこっそりネタを売り込んだのではないか、と。

 

ということで、ジャーナリズムの世界における正規雇用記者と契約記者・フリー記者の「格差社会」の歪んだ構造から、時として女性記者と取材対象者の間のハニートラップ、不倫疑惑が生起するのだ、という問題提起をして稿と閉じる。

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第20号(SKE48須田亜香里も言及して話題となった事例)

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/19/120000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第16号  

 高校野球強豪、常葉菊川の監督と選手が起こしたセクハラ事件

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/14/200200

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例①

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/03/173500

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第14号 

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例②

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300