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女性記者セクハラ被害事件簿 第25号(鹿児島県警警視、共同通信記者などにセクハラ発言の巻)

久々に、女性記者へのセクハラ事案を紹介する。


3ヶ月ほど前に報道された、やや古い事案であるが、この後、別件事案を紹介するのに先立って、記録として留めておこう。

 

鹿児島県警の50代の男性警視が、同僚(女性警察職員)や取材中の女性記者に対しセクハラ発言をしたことが発覚し、懲戒処分された事案である。


朝日新聞が、2018年12月26日にネット配信した記事を引用しよう。

 

女性記者らにセクハラ、50代警視を減給 鹿児島県警


 20~30代の複数の女性に対し、セクハラやパワハラ行為をしたとして、鹿児島県警は26日付で、県警本部に所属する50代の男性警視を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。セクハラの被害者には県警職員3人のほか、共同通信社の記者1人が含まれていた。

 県警は計4人のセクハラ被害者のうち、1人について身分を公表しなかったが、共同通信社が同日、鹿児島支局の20代の女性記者に対するセクハラ発言があったとして、県警に抗議したことを明らかにした。

 共同通信社によれば、処分された警視は11月9日、所属していた警察署内で取材中の女性記者に対し、セクハラ発言をしたという。発言内容については、公表していない。

 県警監察課の発表では、警視は2016年3月ごろ~今年11月ごろ、おもに業務中に女性警察職員3人ら知人女性に対してセクハラ発言をし、同年5月ごろ、別の女性警察職員1人にパワハラ発言をしたとされる。

 警視は「世間話で場を和ませようとした。認識が甘かった」と話しているという。職員以外のセクハラ被害者の身分を公表しない点について、「本人の意向で氏名の特定につながる」としている。

 警視は同日付で、警務課付の異動が発令された上、本人の申し出により警部補に降格されたという。

 共同通信社は「ハラスメントは人権侵害で記者の正当な取材活動を妨げ、萎縮させる行為であり極めて遺憾。本日の発表に際し、県警にあらためて再発防止の徹底を文書で申し入れた」とのコメントを発表した。(井東礁)

 
【ブログ主のコメント】

ブログ主は、昨年の5月に、連載企画として、女性記者が被害者となった過去のセクハラ事案を20件紹介した。


この20件のうち、警察関係者が加害者であったケースとしては、

女性記者セクハラ被害事件簿第1号秋田県警本部長、

第2号広島県警署長、

第3号石川県警巡査部長、

第6号北海道警察署長、

第8号高知県警巡査長、

第10号大阪府警副署長、

第11号京都府警警備3課長、

第13号長崎県警捜査2課長、

第17号で警視庁広報課の警部、

第19号で神奈川県警副署長(警視)、
が加害に及んだ10件がヒットし、実に全体の半数が警察関係者によるセクハラであった。(各号数をクリックすると、各記事に飛べるようにリンクを張っている)


いい年をコイたお巡り中堅幹部が、自分の年齢の半分以下、あるいは自分の娘と同年代か、自分の娘よりもさらに年下の、うら若き20代の女性記者にチョッカイを出してしまう構造的背景事情については、過去の記事で繰り返し考察してきた。

 

今回の警視は、「世間話で場を和ませようとした」と弁明しているが、おそらく、特段悪気なく、女性を見たらシモネタを言いたくなるタイプのオヤジだったのだろう。

 

かつては、軽いジョークで済まされたシモネタ談義が、現在では、軽いジョークで済ますことができなくなった事実について、世のオヤジ達の認識は希薄なので、きっと同様の事例は今後も繰り返されるに違いない。

 

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第20号(SKE48須田亜香里も言及して話題となった事例)

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/19/120000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第16号  

 高校野球強豪、常葉菊川の監督と選手が起こしたセクハラ事件

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/14/200200

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例①

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/03/173500

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第14号 

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例②

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300