syakai-no-mado

社会ノマド、社会の窓、流浪しながら漂泊する社会を見つめます

女性記者不倫事件簿 第8号(共同通信女性記者と公務員の不倫関係)

女性記者と男性公務員や警察官の不倫関係が取り上げられる際には、決まって、機密情報の漏洩の有無が焦点となる。今回は、共同通信女性記者と公務員の不倫事例を紹介した上で、後半の【ブログ主のコメント】において、仮に、情報漏洩があったとして、それが社会のとって害なのか益なのか、を徹底追究する。さらに、記事の末尾で、オマケとして、共同通信の痴情事情についてこっそり紹介する。

 

【男】公務員(詳細不明)

 

【女】共同通信福岡支局勤務の女性記者

 

【明るみ出たきっかけ】

『ニュースサイト ハンター』が2016年6月21日に報道

http://hunter-investigate.jp/news/2016/06/post-896.html

 

【事案の概要】

2016年3月頃、福岡市で、共同通信の女性記者と取材先の男性公務員との間に不適切な関係があり、関係者間でトラブルが生じているとの情報が、『ニュースサイト ハンター』の編集部に飛び込んできた。

 

内部調査を受けた公務員が自ら辞職したことが明らかとなった。関係者は「不倫は否定したが、個人的に会っていたということで、不適切な関係があったことが認められた」と話す。

 

女性記者は5月で異動。共同通信の関係者に探りを入れたところ、その記者が処分を受けたという話は聞いたことがないという。辞職した男性公務員の同僚からは、当事者の一方が辞職の形で責任をとった以上、記者だけが無罪放免というのは明らかに不公平で、「おかしい」という声が上がったようだ。

 

『ニュースサイト ハンター』が、共同通信福岡支局に取材の申入れをしたこところ、東京本社の総務局と話をしてくれとのこと。やむなく、同社総務局に取材の趣旨を説明し、指示された通りFAXで質問内容を送付した。尋ねたのは次の2点。

 

共同通信福岡支局勤務の女性記者が、取材対象である公務員と親密な仲になり、不適切な関係を続けていることが分かった。当該公務員は、その件が原因で退職しているが、共同通信社は一連の事実を把握しているか?

・事実関係に間違いがない場合、組織としてどのような対応をとるのか?

 

共同通信社総務局からの回答メールには、次のとおり記されてあった。

 

「既に社内調査を実施し、必要な措置を取っています。そのようなうわさ話が流布していることは承知していますが、調査の結果、うわさ話とは異なる点がありました。調査結果や措置の内容については、差し控えさせていただきます」

 

『ニュースサイト ハンター』は、共同通信社が送ってきたメールは回答になっていないとブチ切れ、記事の中で次のように批判している。

通常、取材先でこうした不誠実な答えを出してきた相手には、どこの記者も「回答になってない」として厳しく追及するはず。それは共同の記者たちも同じだろう。不倫はあったのか、なかったのか――。処分を行ったのか、行っていないのか――。共同通信がまともな報道機関であるなら、きちんと答えるべきだ。できないというなら、取材先で相手を追及する資格はあるまい。

 

【ブログ主のコメント】

『ニュースサイト ハンター』は、福岡を拠点とする告発型・権力監視型ネットニュースサイトで、主として九州における政治や行政、企業の不正を糺す社会派(?)メディアである。九州における行政の裏事情をウォッチするため、ブログ主も時々閲覧しているサイトである。

 

週刊誌が不倫を取り上げる場合には、両当事者の人物像や不倫行為の具体的情況が詳記されるが、同サイトの記事は、これらの点に触れることなく、女性記者が処分をされなかったこと、及び、本件に関する質問状への共同通信社の回答が不誠実であることを問題視するものであった。

 

ブログ主としては、不倫を肯定したり推奨するものではなく、不倫なんかするとロクな結末にならないのでやめたほうが無難であるとの基本的立場であるが、あくまでも当事者個人の問題であって、社会的実害が生じない限り、当事者に対して目くじらを立てて社会的制裁を下す必要はない、とも考えている。

 

時として、公務員と記者の不倫関係においては、機密情報の記者への漏洩の有無が焦点となるが、仮に、不倫当事者間で情報提供があったとしても、はっきり言って、地方レベルの公務員が扱う情報のレベルは大したものではなく、情報漏洩を深刻に考える必要など全然ない。ハニートラップだの枕取材だのといった週刊誌的な懸念は全く無用だ。

 

仮に、男性公務員から、表沙汰になっていない内密情報が不倫相手の女性記者に流れ、新聞等で報じられたとしよう。内容にもよるが、国民の知る権利という観点からすれば、情報入手の手段はともかくとして、国民に隠蔽されている情報が明るみに出ることは、公共善であり、むしろ喜ばしいことではないか。

 

あるいは、数日後には正式公表予定の行政情報や警察の捜査資料を、女性記者が不倫相手の行政官や警察官から内々に入手して「前打ち」(スクープとして事前報道)したとしよう。彼女は、特ダネを抜いたと社内において一定の人事評価を受け、同業他社の記者は彼女に僻みやっかみを抱くかもしれない。ただ、これとてマスコミ業界内のくだらない不毛な前打ち合戦のひとコマに過ぎず、社会にとって何ら実害はない(社会にとって益もないが)。

 

不倫相手から入手した情報を、記者が自らの経済的利益のため(例えば不倫相手と結託して株のインサイダー取引に手を染める)に悪用したり、あるいは特定の個人や組織を他者を貶めるために意図的に歪曲して報道するおそれなどの問題を指摘する意見もあるが、これは、不倫の場合に限った話ではなく、それ以前の報道倫理に抵触する不正行為だ。

 

とまれ、行政機関や警察からの「大本営発表」をただただ垂れ流すだけのジャーナリズムの腐った現状に対し、たとえ情報入手経路が不倫相手からであったとしても、行政や警察にとって隠蔽したい「不都合な真実」を暴くことは、社会正義の実践であって、情報を入手した記者個人や記者の所属する報道機関を糾弾するのは適切でない。

 

なるほど、週刊誌や『ニュースサイト ハンター』のような媒体は、大手マスコミが、告発型調査報道を手掛けず、大本営発表を垂れ流すだけの腐った状態でいてくれたほうが、自らのレゾン・リーテルを発揮しやすい訳だ。だからこそ、不倫相手から女性記者に重要な情報が漏洩するリスクを騒ぎ立て、ハニトラだなどとパッシングするのか。合点がいった。

 

もちろん、情報漏洩を懸念しなければならない情報もある。ただそれは、特定秘密の保護に関する法律で定められた、特定機密、すなわち、日本の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要なもの位である。特定機密に該当しない行政の内部情報は、入手経路の如何を問わず、どんどん報じられた方が健全な民主主義の涵養に資することであろう。ハニトラも大いに結構じゃないだろうか。

 

ちなみに、本件福岡での事例について、知り合いの共同通信記者に“取材”したところ、自嘲気味に語った。若干誇張もあるように思うが、参考までに付記しておこう。

 

「福岡の件は知らないが、うちの社(共同通信)では、不倫なんてしょっちゅう発生していて、何ら珍しいことではない。ちょっと前にも首都圏のある支局で、独身の女性記者が既婚のデスクと関係をもって妊娠した、と騒ぎになった。デスクは左遷されたかな。他にも、取材相手と手当たり次第に肉体関係をもつ奔放な女性記者や、同時に5人位と不倫しているツワモノ女性記者もいるよ。片っ端から後輩の女性記者を喰いまくって社内で暴力事件を起こした男性記者もいる。うちの社は、マスコミ業界の中で、最も乱れているんじゃないか。なにしろ、人事部長が就活中の女子大生に個人指導してやるといって襲いかかるような会社だからね。」

 

ちなみに、最後の「人事部長が就活中の女子大生」云々は、2013年5月に発覚した、今藤悟総務局次長券人事部長(懲戒解雇された)が引き起こし、社長の辞任にまで発展した事件のことを指していると思われる。

 

共同通信と言えば、日本大学に再就職した元論説委員長の米倉久邦氏が、日大アメフト部危険タックル問題の記者会見でブザマな言動をしたことでも脚光を浴びたが、おそるべき会社(厳密には、普通の株式会社ではなく、加盟社が社員として出資する一般社団法人)だ。

 

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者不倫事件簿 第7号(NHK記者に不祥事が多発する核心的要因に迫る)

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/30/221000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第10号

 大阪府警副署長が、共同通信女性記者をホテルに連れて行き…

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/07/133900

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第20号(SKE48須田亜香里も言及して話題となった事例)

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/19/120000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第16号  

 高校野球強豪、常葉菊川の監督と選手が、朝日と毎日の女性記者にしでかしたこと

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/14/200200

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第6号

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例①

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/03/173500

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第14号 

 加害者が自殺した二重に悲劇の事例②

 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/12/203300

女性記者不倫事件簿 第7号(NHK記者に不祥事が多発する核心的要因に迫る)

昨日同様、NHK女性記者が当事者であった取材対象者との不倫スキャンダル報道を振り返った上で、今回は、記事後半の【ブログ主のコメント】において、NHK記者に不適切異性関係など不祥事が多発する構造的要因や核心的問題について考察する。

 

 

【男】東京地方検察庁の企画調査課長(53歳)

 

【女】司法記者クラブ所属のNHK記者

 

【明るみに出たきっかけ】

週刊新潮』2016年2月4日号に掲載された

 

【事案の概要】

著作権違反になりうるが、以下、『週刊新潮』の記事をそのまま転載する。

 

 年明け早々、東京地検では、ある職員の処分が下されていた。関係者が明かす。

「1月4日付で、総務部の企画調査課長であるベテラン事務官が『パワハラ』を理由に、部内でヒラ事務官に2段階降格となりました。この事実は、司法記者クラブはおろか、一切公表されていません」

 が、この処分自体が“カムフラージュ”であり、

「実際にはパワハラなどではなく、司法クラブに所属するNHK女性記者との“不適切な関係”が処分の理由だったのです」(同)

 というのだ。

「前課長」は現在53歳。特捜部の所属も長く、やり手の事務官として知られていた。公務員志望者向けのガイド本『検察官になるには』(ぺりかん社)にも現役職員として登場。2006年1月の「ライブドア」家宅捜索では、先頭に立っていたと紹介されている。

 相手の女性記者は二回りほど若く、一昨年の春から司法クラブに在籍。直後から2人の関係は始まったというのだが、ことが発覚したきっかけは、

「同じく検察事務官である課長の妻が、夫の所持品からNHKのタクシーチケットを見つけてしまった。この時点では女性の存在は浮上せず、妻は仕事柄、利益供与などを疑って勤務先に通報したのです」(同)

 

■すべて復元され…

 報せを受けた検察庁は、報道機関への「情報漏洩」の可能性を念頭に置きつつ、さっそく調査を開始。課長の携帯電話も取り上げられた。

「そこから、女性記者とのやり取りが見つかりました。消去したメールや通話記録なども復元され、不倫関係については認めざるを得ませんでした。それでも、肝心の情報漏洩については頑として否認したのです」(同)

 もっとも、

「彼女が来てから、NHKは特ダネ連発でした。司法試験問題漏洩事件や、旧『村上ファンド』の村上世彰元代表への証券取引等監視委員会の強制調査、そして就学支援金を不正受給した三重の高校運営会社の事件など。クラブ内では『どんなネタ元をつかんでいるのだろう』と、たびたび話題になっていました」(司法記者)

 というから、その釈明も額面通りには受け取れまい。が、いずれにせよ検察当局は「パワハラ」なる理由を持ち出した挙げ句、すべてにフタをしてしまった。10年に発覚した大阪地検特捜部の証拠改ざん事件では「でっち上げ」で世間の指弾を浴びたのに、その体質はなお組織に脈々と息づいているというわけだ。

 ちなみにこの前課長、

「現在の妻とは再婚ですが、実は、前の結婚生活も、女性問題がもとで破綻しているのです。懲りない人ですよね」(前出関係者)

 そうした変遷を経て、今回不祥事の端緒を“直告”した妻に尋ねると、

「(夫は)帰って来ません。検察の方で聞いてください」

 で、その東京地検は、

「異動の有無も含めてお答えできません」(総務部広報担当)

 秘密結社でも気取っているおつもりか。

 

【ブログ主のコメント】

本ブログでは昨日、2011年に発覚した千葉県警警部とNHK千葉放送局女性記者との不倫関係について取り上げたが、今回またもや、公共放送たるNHK女性記者がらみの事例である。

 

NHKは政治や社会に対して絶大な影響力も持つマスコミ界のスーパー・エリート集団であり、NHK記者はマスコミ業界内でも一目おかれた存在である。全国紙、地方紙のデスク連中は、夕方のNHKニュースを見ながら、翌日の朝刊紙面における各記事の扱いの大きさや論調の方向性を決めていく。従って、各報道機関の記者たちは、取材現場や記者クラブにおいて、NHK記者の担当記者が、誰を対象に、どのような問題関心のもとで取材活動を展開しているのかを常に意識し、NHK記者の一挙手一挙動をマジマジと眺めているのだ。クラブのブース内でのNHK記者の電話のやりとりも、他社の連中は耳をそばだてて聞いている。

 

このように、常に注目・環視される存在であり、かつ、社会的影響力も大きいNHK記者が関わる不祥事は発覚しやすく、発覚した場合には新聞やテレビ、週刊誌などで大きく取り上げられがちとなる。

 

他の報道機関と比べNHK関係者は不祥事の絶対的件数が多いのか、それとも、NHK関係者による不祥事の発生率自体は他の報道機関と比べ高いわけではないけれど、NHK関係者の不祥事は社会的に注目されやすいので、見かけ上、NHKは不祥事の総合商社のような印象を受けるのであろうか。

 

この点について厳密な検証は困難であるが、ブログ主としては前者、すなわち、NHKは他の報道機関と比べ不祥事の絶対的発生件数が多い傾向にあるのではないかと考える。以下において、その理由を述べる。

 

NHKは就職人気企業であり、就職偏差値は極めて高く、記者志望者にとっては狭き門である。多くのライバルを蹴落としてNHKに採用された記者たちは、喜びもつかの間、いざ入局すると、今度は、熾烈な社内出世競争が待ち受けている。というのも、せっかく憧れのNHK記者に採用されたとしても、数年後に華の東京で一線記者として活躍できるのは一握りの記者に過ぎず、同期の半数は、生涯、東京から離れた地方支局を転々とする流浪の人生に転落する。

 

このため、東京の希望する部署への異動を希望する若手NHK記者たちは、あの手この手を使って東京行きの切符をゲットするため、文字通り「粉骨砕身」で体力・精神の限界まで奔走するのだ。同じ局の同僚を騙してネタを奪う奴がいたり、中には、東京本局の幹部、あるいは地方で人事権を持つ幹部にすり露骨に寄る記者も多発する。特に、女性記者の場合、上司と社会通念上「一線を越えた」関係に陥ることも珍しくない。同僚と熾烈な競争・狂奔・狂騒を繰り広げ、強壮な奴しか生き残っていけない。

 

このような殺伐とした職場環境の中で、NHKではメンタルを煩う記者が頻発するし、組織の体質に嫌気がさして退職する記者も後を絶たない。3年前に、一気に15名もの女性記者が大量離職したことは有名な話だ。また、昨年、31歳女性記者の過労自殺が発覚したが、根本的要因は、ここに記していることと全く同根だ。

 

では、NHK記者と取材対象者との距離感はどうか。記者にとって、取材対象者と表面的な関係を維持するだけでは、表層的な情報をしか入手することができないのは当然のコトワリある。何かしら事件が発生した際に、取材対象者から、核心的な情報の提供を受けるためには、取材対象者の懐に入り込んで良好な人間関係を構築しておくことが重要である。記者のスキルとして、文章力を高める以上に、取材対象者との信頼関係を築くためのコミュニケーション力、人間力を磨くことが重要である。

 

しかし、記者と取材対象者との関係が親密になりすぎると癒着の弊害が強まってしまう。特に、行政や警察機関などに対しマスコミには健全な批判精神が要求されるところ、記者が取材対象者に過度に寄り添ったり、記者が取材対象者・対象組織の価値感を内面化してしまうと、紙面は提灯記事で溢れかえることとなる。

 

記者にとって、取材対象者と適度な距離を保つことは重要であるが、取材対象者との距離感という点からすると、セクシャリティの観点から、女性記者はトラブルに巻き込まれやすい存在である。最近でこそ女性職員も増加しつつあるが、伝統的な男社会のお堅い行政や捜査機関に、若い女性記者が取材にやってきて中年の中堅幹部に笑顔で話しかけてくる。中年幹部は、もしかすれば、彼女は自分に好意を寄せているのではないかと妄想し、飲みに誘う。彼女は笑顔で応じてくれるので、中年オヤジの妄想は肥大するばかりである。

 

アルコールが入って、中年オヤジと女性記者の二人の波長が合ってイイ感じとなり、気がついたらベッドインしていることもあるだろう。あるいは、中年オヤジの一方的な勘違いと妄想で、女性記者に身体接触したり、体の関係を求めたりすれば、接触型セクハラであったり性犯罪行為に手を染めることになる。この手の事例は本ブログで繰り返し紹介してきたとおりである。

 

おまけにNHKは、他の報道機関とは比較にならないぐらい、取材経費には恵まれている。今回の事例では、NHKのタクシーチケットに検察事務官の妻が気付いたことが発覚に至るそもそもの発端であったが、実際、NHKではタクシーチケットは自由自在に各記者が使いたい放題である。尤も、数年前に、タクシーチケットの転売不祥事が発覚し、以前と比べると管理が厳しくなったようだが、それでも基本的にはチケットの使用は各記者の良識に委ねられており、他の報道機関と比べると甘々である。

 

また、支局レベルでもNHKは、接待飲食経費がふんだんにある。女性記者が、不倫相手でもある取材対象者と飲食を共にするときには、平然と飲食費を必要経費で落とすのだ。不倫旅行に出かけ、取材出張と称して二人の宿泊費を経費で落とすことまでやってのけるツワモノすらいるらしい。必ずしも高給取りではない公務員中年オヤジにタクシーチケットもプレゼント。かくして、NHK女性記者と中年オヤジの不倫関係は泥沼化していく…。

 

ここで指摘したいことの本質は、NHK若手女性記者は、出世のため、東京進出のため、特ダネをゲットすることを目論んでハニートラップを仕掛け、不倫関係に陥っていく、ということではない。もちろん、特ダネを取りたいという打算が皆無という訳ではないだろうが、よほどのキーパーソンを相手に選ばない限り、ハニトラとしての効率は高くないし、それほど機密性の高い情報が転がっているわけでもない。従って、地方勤務のNHK若手女性記者の不倫行為ごときに情報漏洩やら守秘義務違反があったのではないか、と目くじらを立てる必要はない。

 

今回の事案における東京地検総務部企画調査課長というのは、捜査・公判部門とは切り離された部局に所属する事務官に過ぎず、彼がセンシティブな捜査情報を恒常的に目にする機会は皆無である。なので、この課長から不倫相手の女性記者に捜査情報が漏洩したとは到底考えられない。『週刊新潮』の記事における問題提起は的外れである。

 

 職員を熾烈な出世競争にさらす歪んだ職場環境の中で、ストレスや欲求不満が蓄積したNHK若手女性記者が、鬱憤を発散するためしばしば取材対象者とインモラルな関係に陥り、その愛人関係が「皆様の受信料」で成り立っている、ということ、これが今回の結語である。

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号
 京都府警警備3課長が、飲食店内でNHK女性記者の体を触る
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/09/212700

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第29号
 静岡県警はセクハラ、レイプ、不倫の温床??
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2020/05/10/170000

 

・女性記者不倫事件簿 第6号
 NHK若手女性記者と千葉県警警部補がラブホテルや温泉旅行をお楽しみ
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/29/235736

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300


・女性記者不倫事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/06/03/194500

 

女性記者不倫事件簿 第6号(NHK若手女性記者と千葉県警警部補の関係)

 

f:id:syakai-no-mado:20180530000524j:plain

 

今回は、昨日同様、既婚警察関係者と独身若手女性記者の間で生じた事案である。

 

【男】千葉県警刑事部捜査二課課長補佐(警部)(40代)

 

【女】NHK千葉放送局の女性記者(20代)

 

 

【明るみに出たきっかけ】

週刊文春』2011年2月17日号に掲載された

 

 【事案の概要】

千葉県警は、男性警部がHNK女性記者と怪しい関係にあるという情報をキャッチ。警部から事情を聞いたところ、記者との関係を認めたため、懲戒処分が下された事例である。

 

男性警部は、40代の千葉県警刑事部捜査二課課長補佐で「振り込め詐欺」を担当。真面目な性格でスポーツマンタイプだという。

 

一方、女性記者は、国際基督教大学卒業し2008年にNHKに入局、千葉放送局に配属となった記者3年目の若手である。

 

事情を知る3人が『週刊文春』に証言する。

 

まずは、県警関係者。

「(記者は)2010年の夏から県警キャップに大抜擢され、ちょうど同じ頃、警部との不倫が始まったそうです。県内のラブホテルに出入りしたり、群馬県の温泉旅行へ行ったとも聞いています。

 

彼女の知人がいう。

「ゴルフが趣味だと話していました。西麻布界隈のクラブにもよく行っていたようで、合コンも大好きみたいでした。」

 

実際に彼女と都内で合コンをした人物もこう明かす。

「県警担当記者は、休日でも県外に出るときには社に届けるのが常識ですが、『よく内緒で都内に遊びに来てるんですよ、エヘッ』という感じで話をしていました。その場では彼氏が欲しいと言っていたのを覚えています」

 

週刊文春』が、電話や手紙、メールなどで女性記者に再三取材を申し込んでみたが、完全無視。NHKの広報担当者も不倫の事実関係について、「そうした質問にはお答えできません」の一点張りであった。

 

そこで、同誌が情報公開請求を行うと、2008年12月20日、県警の監察官がこんな「処分伺書」を本部長宛に提出していたことが明らかになる。

<当該職員は、本年9月初旬ことから11月中旬までの間、妻子ある身でありながら、一般女性と不適切な異性交際をしたものである>

名前は塗りつぶされているが、理由・時期ともに合致する。処分案は「戒告」で、別の書類で翌21日にその通りの戒告処分が下っていることが確認できたという。

 

気になる二人の顛末を『週刊文春』の記事から引用する。

「本人は内心、不倫はおろか、相手が処分された事実も局には隠しておくつもりだったと思います。しかし12月、刑事部の課長代理会議で話題に上り、噂は記者クラブ内にも広がっていった。すると急に『親の体調が悪い』という理由で会社を休んでしまったのですが、NHKの配慮で、ほとぼりが冷めるまで休ませたのでしょう」(地元記者)

 

彼女は、1月末には県警キャップを外されたが、遊軍として復帰したようだ。

 

「男の方は、2月8日の人事で機動隊に異動になりましたが、問題なのは、単なる一般女性との不倫ではなかったということ。男女の関係によって特別な捜査情報の漏洩があったのか、県警もNHKもきちんと調査して公に説明すべきです」(県警担当記者)

 

なお、本件については、週刊誌の発売を受け、朝日、読売、毎日、共同通信が後追いで報道しているが、県警監察官室の正式見解は、「処分したかどうかコメントできない。(発表については)公表基準と照らし合わせて判断している」とのこと。県警幹部は「調査の結果、守秘義務違反にあたる情報漏洩の事実はなかった」と語ったという。

 

【ブログ主のコメント】

 今回の事案は、昨日紹介した兵庫県警警視と女性記者の不倫とウリ2つの事例だ。今回のケースでは、週刊文春が、県警担当記者の言葉を引用する形で、警部から女性記者に対する捜査情報の漏洩があったのか、という投げかけをしていることもあり、全国紙も後追いするなど、当時若干話題となった。

 

警察組織やマスコミ業界の事情に疎い人たちからすると、警察官や記者は、社会正義のため日夜激務をこなすお堅いイメージの典型的職業であり、不倫などとはおよそ無縁のような印象を持つかも知れない。であるからこそ、男性警官と女性記者の不倫疑惑がゴシップネタになるのであろうが、現実には、既婚男性警官と独身若手女性記者が禁断の恋に陥ることは全国どこでも日常茶飯の出来事であり、発覚するのは氷山の一角に過ぎない。

 

本ブログでは最初の記事セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業以降、各記事で繰り返し触れてきたとおり、全国紙やNHK、通信社の記者は、入社後数年間は地方の支局に勤務し、全員が、OJTの一環として県警本部記者クラブに配属される。若手記者は、県警取材を担当し、デスクの指導を受けながら記事の書き方を実地修練するとともに、さらに重要なことは、取材対象者との「関係構築の方法」や「距離の保ち方」について経験を積むことになる。

 

特に、女性記者の場合、男性の取材対象者とセクハラや不倫などの下半身トラブルに巻き込まれないための防御技術を初任地で取得することは、記者人生を成功させる上で重要なことである。(尤も、男性記者と、女性の取材対象者との関係においても同様の問題が生じうるが、ここでは論点としない。)

 

本ブログでは以前、20回に渡って「女性記者セクハラ被害事件簿」を連載したが、20のセクハラ、わいせつ事例のうち、実に半数の10件は警察関係者が加害者のケースであった。(読者サービスのため、リンクを張ると、女性記者セクハラ被害事件簿第1号秋田県警本部長、第2号兵庫県警署長、第3号石川県警巡査部長、第6号北海道警察署長、第8号高知県警巡査長、第10号大阪府警副署長、第11号京都府警警警備3課長、第13号長崎県警捜査2課長、第17号で警視庁広報課の警部、第19号 で神奈川県警副署長が加害者の事例をそれぞれ取り上げてきた)。

 

若干、筆者の偏見も混じるが、セクハラ・わいせつ被害に遭う若手女性は、恋愛経験が希薄(あるいはゼロ)、かつ、気弱で真面目な優等生タイプである。男性の本性がわかっておらず、セクハラ・わいせつ行為への事前予防、事後対処双方の危機管理能力が低い女性(加害者側からすれば「脇の甘い」女性)が、加害男性の餌食となり、時として、セクハラ・わいせつ被害を受けた後トラウマを抱えてしまいがちである。

 

この点、恋愛経験が豊富で積極的なタイプの女性は、ちょっとしたセクハラには耐性があるし、危なっかしい男をいなす能力を身につけているので、セクハラやわいせつの被害を受けにくいものである。(断っておくが、あくまでも一般的傾向であって、特に、凶悪なレイプ被害などは、恋愛経験の多寡などとは無関係に発生することは留意を要する)

 

このように、加害-被害関係の明確なセクハラやわいせつ行為については、恋愛経験の多寡などによって女性の巻き込まれ具合は異なる傾向にあるが、加害-被害の対立図式にない男女双方の合意のもとでの不倫関係は、どのような背景要因で発生するのか。

 

典型的には、①仕事面、生活面などで悩みを抱える気弱な女性が、どちらかというと実直で誠実なタイプの男性と心を通わせているうちに、体も許し合う関係に至るケースと、②恋多き男好きの女性が、恋多き女好きの男性が割り切って関係を持つケースの両極端な類型がある。

 

では、今回の千葉県警警部とNHK女性記者、あるいは昨日紹介した兵庫県警警視と女性記者の関係は、と言うと、性に奔放なタイプのガールズが、どちらかといえば不倫とは無縁の仕事熱心で真面目なタイプの中年男性の道を誤らせた事例だったのであろう。

 

【本ブログ内の関連記事】

・セクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/04/23/012930

 

・女性記者不倫事件簿 第7号
 女性記者と東京地検課長の不倫を通じ、NHK不祥事の核心に迫る
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/30/221000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号
 京都府警警備3課長が、飲食店内でNHK女性記者の体を触る
  https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/09/212700

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第29号
 静岡県警はセクハラ、レイプ、不倫の温床??
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2020/05/10/170000

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/08/194300

 

・女性記者セクハラ被害事件簿 第11号から第20号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/20/204300


・女性記者不倫事件簿 第1号から第10号までの概要
 https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/06/03/194500

 

女性記者不倫事件簿 第5号

【男】兵庫県警の警視(50歳)

 

【女】新聞社の女性記者(20代)

 

【明るみに出たきっかけ】

週刊新潮』2009年2月26日号が報道

 

【事案の概要】

妻子ある兵庫県警の警視が、新聞社の女性記者と交際。妻にバレタたところまでは、よくある話だが、この警視は妻の知人に「不倫顛末書」を書かされ、この文書が広くばら撒かれてしまったのだ。本事案について、『週刊新潮』の記事を引用する。

 

昨年(2008年)暮れ、兵庫県警や在阪のマスコミ関係者に、県警の幹部A警視(50歳)と、さる新聞社の20代の女性記者との不倫を記載した告発文書が送付された。しかも、A警視が不倫を認めたという手書きの「退職願」(4枚)が、添えられていたのである。

 

<一身上の都合により退職致したく承認願います。○○新聞社の記者○○○○と、してはならない不倫関係にありました。警察官として信用を落とす行為ですから退職させられてもあたり前です>

 

日付は平成18年7月25日、宛先は勤務先の警察署長、そしてA警視本人の署名と印影らしきものもある。女性記者と不倫関係になった一番の理由として、

<私にやさしく接してくれ甘えてくれたからです。当然、顔立ちがきれいとか若い女性ということもありました>

A警視は妻子とは別れないことを前提に、女性記者と交際していた。

<僕が結果的に○○をもて遊ぶようなことだからズルイ人間になってしまう。○○には、こんな関係になっても素敵な男性と結婚してほしい、早く見るかって欲しいといいつつ、僕も○○納得の上でこれまで付き合ってきたものです。(中略)僕としては別れまでの間(僕の転勤・○○の希望の男性が見つかるまで)、バレずに今を楽しみたかったというのが実際の気持ちでした>

 

A警視は、女性記者とは一切合わない、連絡も取らないと約束した上、もしそれを破ったら、

<思うようにしてもらって結構です>

と記し、「不倫顛末書」とも言うべき「退職願」を締めくくっている。

 

長らく広域暴力団を担当し、ノンキャリアながら知能犯捜査の責任者にまで出世したA警視。

「彼はエースとして将来を期待されていた男です。他の誰よりも早く出勤し帰りは一番遅い。マジメで仕事熱心な刑事でした」(兵庫県警関係者)

 

お相手の女性記者は、

「京都大卒の才媛で、極めて優秀です。今は控えているそうですが、酒好き、オヤジ好き」(大手紙の大阪本社記者)

 

週刊新潮』がA警視に取材し、「不倫顛末書」について尋ねると、「あの文書を書いたのは自分だし、自分の字というのも否定しない。だけど、内容は事実と丸っきり違う」「女房と、女房と親しい人がおって、その人の言うまま強制的に書かされてしまった。あの時は追い詰められて、仕方なかったんや」と回答。

 

だが、女性記者との不倫交際は認め、「俺が全部悪かった。彼女のことを考えると、本当に申し訳ないと思っている」と詫びの姿勢を示す。

 

妻とその知人しか持っていないはずの文書が最近になって流出した経緯については、「女房からではない。俺をハメて、メチャメチャにしようとした人間がやったんだろう。理由は分からない。誰が文章をバラまいたかは分かっているが、某新聞としか言えない」と語る。

 

2008年暮れに、県警の監察から事情聴取を受け、本部長から訓戒の処分も下った。3月には異動も決まっている。

 

【ブログ主のコメント】

昨日の記事でも触れたが、ブログ主は、女性記者が陥る不倫関係の典型的パターンを次の3つに類型化している。

 

 ① 仕事面、生活面などで悩み多き入社間もない20代の若手女性記者が、取材相手であるそこそこの社会的地位にある男性に悩みを打ちあけ親密になるうちに、体を許す関係に発展するパターン

 

 ② 記者として脂が乗った入社10~20年程度の女性記者が、社会的地位と名誉を築きあげた取材相手の巨星(各界のビックネーム)に憧れ、巨星としても愛嬢と同年代か愛嬢より若年であろう記者に情欲をかき立てられ人目を憚られる恋に発展するパターン

 

 ③ 新聞社やテレビ局の正規雇用記者と異なり、会社の後ろ盾のない契約あるいはフリーの女性記者が、女の武器を活用して取材相手に接近し、枕取材、ハニートラップをしかけるパターン

 

実際には、くっきりと3つに類型化できる訳ではないが、この類型分類は、女性記者が当事者となる不倫関係の特徴を端的に捉えていると考える。このうち、①は女性記者だけでなく、ごくごく普通の男女間のありふれた不倫関係成約パターンの典型例であるが、②と③は、女性記者に特徴的な不倫の様態である。

 

今回の兵庫県警警視と女性記者との関係について、考えてみよう。県警の警視といえば、社会的にそこそこの地位にあるのでパターン①に近いが、この女性記者は、仕事面、生活面などで悩みを抱え警視に相談していた、という経緯で二人の関係が深まったという訳ではなさそうだ。『週刊新潮』の記事には女性記者に関する情報が少なく、想像の域を出ないが、おそらく彼女は恋愛経験が豊富でオヤジキラーの小悪魔女子だったのではなかろうか。

 

酒好き、オヤジ好きの20代女子が、取材を通じて知り合ったマジメで仕事熱心な50の中年オヤジが格好良く思えて恋心を抱き、妻子ある中年オヤジとしても、「やさしく接してくれ甘えてくれた」20以上年下の女子とつかの間の逢瀬を楽しんでいたのであろう。いずれにしても、彼女には警視から捜査情報を引き出して手柄をあげようと目論むハニートラップの意図はなく、二人の関係は見返りを求めない純愛関係だったと思われる。

 

「純愛」という言葉を使うと、妻子ある50のオヤジが20以上年下の乙女子を弄ぶようなキモい関係は純愛なんかではない、という批判を招くかもしれない。だけど、必ずしも、オヤジのほうが一方的に女性記者を弄んだのではなく、お互いが合意の上で関係を継続していたのであれば、オヤジだけに非があるわけでない。尤も、筆者には不倫を肯定する意図はないが。

 

不倫騒動によって、警視の家庭は崩壊の危機に瀕するなどプライベートでは影響があるものの、警察業務に直接支障が生じるものではない。にも関わらず、警察組織では、不倫は公務員の信用失墜行為として処分の対象になるようである。

女性記者不倫事件簿 第4号(メガバンク頭取とテレ東女性記者のケース)

 

f:id:syakai-no-mado:20180526213346j:plain

 

【男】みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取(64歳)

 

【女】テレビ東京の女性記者(30代)

 

【明るみに出たきっかけ】

写真週刊誌『フライデー』2008年8月1日号がスクープ報道

 

【事案の概要】

日本経済の中枢、大手金融機関の本社ビルが林立する東京大手町。2008年7月8日の夕方、とあるメガバンクの地下駐車場から、黒塗りの高級車・センチュリーが姿を現した。

 

車は内掘通りに出ると、右手に皇居を望みながら大通りを日比谷方向へと進んだ。5分ほど走ると突然、路肩に停車した。夕闇の中、センチュリーはハザードランプを点滅させたまましばらく動かない。誰かを待っているようである。

 

約15分が経った。街角から一人の美女が現れ、車に向かて駆け寄ってきた。女性が後部座席に近づくと、運転手が降りてきて、うやうやしくドアを開ける。女性がそのまま乗り込むと、車はゆるやかに発進。オフィス街を抜けると、車は暮れなずむ麻布の街へと入っていった。

 

冒頭このような文章で始まる写真週刊誌『フライデー』2008年8月1日号(首都圏での発売日は7月18日)の「激震スクープ みずほコーポレート銀行 齋藤宏頭取 「テレビ東京美人記者と“愛欲”不倫 一部始終」と題する5ページにわたるスクープ記事では、黒塗り高級車の主と途中で乗り込んだ女性について紹介した上で、7枚の隠し撮り写真を交えながら、その日の麻布到着後の2人の足取りを詳細に実況中継している。

 

車の主は、みずほコーポレート銀行(以下、みずほCB)の齋藤宏頭取(肩書は当時。以下同じ)だ。1966年、東京大学経済学部を卒業、日本興業銀行に入行。常務まで上り詰め、2000年に「みずほホールディングス(興銀、第一勧業銀行、富士銀行が合併して設立、その後、みずほファイナンシャルグループの傘下となる)が誕生すると、同社の常務取締役に就任。2002年には、旧興銀を引き継いで発足したみずほCBの初代頭取に就任した大物バンカーだ。

 

齋藤頭取は経済界における影響力も絶大で、興銀時代に部下だった楽天三木谷浩史社長がTBS株の買収を巡ってTBS側と揉めた時、仲介に入り、その存在感を示したことは有名である。

 

そんな斎藤頭取の車に乗り込んだ女性は、頭取のご夫人ではなく、テレビ東京編集局に勤務する30代の女性記者Aである。A記者は1999年に入社後、ニュース取材部(当時)に配属され、国会などを担当した後、3~4年前に営業部に異動。2008年7月からは報道を担当する取材センターに所属し、日銀クラブなどで取材活動に当たっている一線記者だ。

 

二人は、麻布の繁華街にある寿司屋で1時間ほどテーブル席で会食した後、揃って店を出てきた。寿司屋から数m先で二人は歩きながら見つめ合ったかと思うと、その刹那、口づけを交わしたのである。齋藤頭取が、かすかに突き出した唇をA記者の顔に近づけると、A記者は躊躇なくその唇に自分のそれを重ねたのだ。その決定的瞬間を、フライデーのカメラが捕捉し、記事には2枚の写真が掲載されている。

 

その後二人は、タクシーを拾い、A記者の自宅方面に向かった。が、停車した先は、A記者の自宅から徒歩5分ほどのところにある別の賃貸マンションだった。先にA記者がタクシーを降りると、エントランスに入り、後を追って頭取がマンション内に消えた。二人が入って2時間半後の夜11時半過ぎ、斎藤頭取は一人でマンションから出てきて、通りでタクシーを拾うと、一人帰宅したのであった。

 

フライデー取材班が、この密会用マンションへの二人の入室を目撃したのは、この日だけではない。二人は週1回のペースでこのマンションで密会を重ねていたのだ。みずほファイナンシャルグループの株主総会が開かれた6月26日にも、二人は同マンションで逢瀬を楽しんでいたのである。

 

【本事案の問題の所在と顛末】

本件事案が発覚した時点では、2か月後に世界を奈落の底に追い込むことになる未曽有の金融危機リーマン・ショック)の発生を誰も知る由もなく、日本の経済界は全体としては小康状態にあった。しかし、過去の公的資金が投入されたみずほCBは、2008年3月期決算を巡って、頭取の責任問題も取り沙汰されるなど、経営状況は深刻であった。

 

フライデーの記事の中で、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏がこう説明する。

「みずほFGのサブプライムローン関連損失は深刻です。みずほCBの子会社であるみずほ証券は、3月期決算で4000億円以上の損切りを出しましたが、実はまだ未処理の金融証券が約1兆円も残っている。一度に損失処理すると、連結決算でみずほFGまで赤字になる恐れがあったからです。このサブプライムローン関連の証券化ビジネスは、みずほCBトップの齋藤頭取が音頭を取って始めたことです。しかし、彼は責任を取らなかった。彼は、頭取引退後も会長として残りたかったからでしょう。引責辞任の形だけは避けたかったのだと思います。」

 

それほどまでに経営トップにしがみついた齋藤頭取だが、実は、A記者の勤務先、テレビ東京の社外監査役も務めていたのである。つまり、社外役員を務める先の社員と不倫関係に陥いるという重大なコンプライアンス問題に波及しうる営みだったのだ。

 

金融関係者はもとより、大企業トップの前代未聞のハレンチ行為だっただけに、7月18日、フライデーの掲載誌が発売されるや、斎藤頭取の不倫騒動は世間一般からも反響を呼んだ。フライデーでは、翌週号の2008年8月8日号においても、「激震スクープ追及第2弾! 齋藤宏頭取「晩節不倫(路上キス&密会用マンションの逢瀬)と進退問題」の内幕」というタイトルで続編記事を3ページにわたって掲載している。

 

A記者は、7月から日銀クラブ担当になったばかりであったが、掲載号発売に先立って、配置換えを余儀なくされてしまったという。

テレビ東京関係者が言う。

「日銀クラブに置いておくわけにはいかず、夕方のニュース番組の内勤ディレクターに配置転換されました。さすがに公私混同はマズイですよ」

 

齋藤頭取はというと、掲載後販売前後も何ごともなかったかのように銀行に通っているという。

「通常、こういう不祥事が起きた場合は、緊急役員会が開かれ、進退問題が話し合われるものです。しかし、今回はそれがまったくない。“齋藤王国”と揶揄されるワンマン体制のみずほCB内では、役員会の開催すら提言できる人がいないのです」(みずほCB幹部)

 

みずほCBの中堅行員はこう話す。

「これまでも社内不倫が問題になり、子会社に飛ばされた支店長もいるんです。なのに、斎藤頭取が知らぬ存ぜぬの態度。行員の中では派閥争いを前面に出して、『どうせ、一勧(旧第一勧業銀行)の連中がリークしたんだろう」と噂し合う始末です。危機感がまったくない』

 

みずほグループは、母体となる興銀、富士銀、一勧の3銀行が合併してできた組織であり、この3つの旧銀行による微妙なバランスで成り立っている。もし、斎藤頭取が辞任となれば、このバランスが崩れてしまうことを首脳陣は恐れていたのだ。結局、「みっともない話であるが、プレイベーとなことであり、仕事上、問題があったわけではない」(みずほFGの前田社長)との判断により、お咎めすら受けることなく、斎藤氏は頭取としての任期を全うし、2009年にはみずほCB会長、2010年にはみずほFG特別顧問に就任したのであった。

 

【ブログ主のコメント】

本ブログの一番最初の記事であるセクハラ、レイプ、不倫が頻発する女性記者という職業において、ブログ主は、女性記者が陥る不倫関係について、3つの類型に分類して解説した。

 

 ① 仕事面、生活面などで悩み多き入社間もない20代の若手女性記者が、取材相手であるそこそこの社会的地位にある男性に悩みを打ちあけ親密になるうちに、体を許す関係に発展するパターン

 

 ② 記者として脂が乗った入社10~20年程度の女性記者が、社会的地位と名誉を築きあげた取材相手の巨星(各界のビックネーム)に憧れ、巨星としても愛嬢と同年代か愛嬢より若年であろう記者に情欲をかき立てられ人目を憚られる恋に発展するパターン

 

 ③ 新聞社やテレビ局の正規雇用記者と異なり、会社の後ろ盾のない契約あるいはフリーの女性記者が、女の武器を活用して取材相手に接近し、枕取材、ハニートラップをしかけるパターン

 

実際には、くっきりと3つに類型化できる訳ではないが、この類型分類は、女性記者が当事者となる不倫関係の特徴を端的に捉えていると考える。このうち、①は女性記者だけでなく、ごくごく普通の男女間のありふれた不倫関係成約パターンの典型例であるが、②と③は、女性記者に特徴的な不倫の様態である。

 

昨日までの女性記者不倫事件簿の3例の中では、第1号記事財務省主計官と週刊誌契約記者の関係は③の典型例だし、第2号記事の宮崎県知事とテレビ局記者の関係、あるいは第3号記事の埼玉県知事と週刊誌記者の関係は、①と②の中間形態と言えるだろう。それに対し、今回の第4号のみずほCB頭取とテレビ局記者の関係は②の典型例である。

 

大企業の社長が、自らの秘書や、料亭や高級クラブの女性と一線を越えた関係に陥った例は枚挙に暇がないが、今回の例のように、取材に来た女性記者と禁断の恋の関係に発展するケースも、表面化しないだけで高い頻度で発生していることであろう。

 

パターン①とパターン②とでは発覚した場合に、正反対の顛末を辿りがちなことも興味深い点である。前者の場合、女性は何らお咎め無しで男性側が不利益処分されることが多いのに対し、後者の場合は、今回の例のように、女性側が配置転換などの不利益を被り、巨星たる男性側は一切社会的去勢を受けることなく平然と乗り切るのが常なのである。

 

みずほCBの中堅行員が愚痴るように、支局長クラス以下の一般社員が婚外関係を持つと懲罰人事が待っているのに対し、最高責任者が不義を働いても知らぬ存ぜぬを押し通すような会社組織では、社員の社に対する忠誠心は著しく減退し、社会的信頼も損なわれ、組織が弱体化するのは不可避であろう。

 

【次回の予告】

次回、次々回は、若手女性記者と警察関係者の情事事情を紹介する。

女性記者不倫事件簿 第3号(全国知事会会長、上田清司埼玉県知事のケース)

f:id:syakai-no-mado:20180526013100j:plain

 

 

昨日取り上げた東国原氏は元々女癖が悪く、彼が不倫騒動を起こしても「奴ならやりかねない」と誰も決して意外に思わないので話題性は高くないが、今回は、実直でクリーンなイメージをウリにしてきた知事と、週刊誌女性記者との不倫関係を取り上げる。

 

【男】埼玉県知事 上田清司(59歳)(年齢は当時)

 

【女】週刊誌の専属女性記者(40代)

 

【明るみに出たきっかけ】

週刊文春』2007年6月28日号で報じられた

 

【事案の概要】

2003年8月、土屋義彦前知事の辞任に伴う埼玉県知事選に立候補して当選した上田清司氏は、第1期の頃は清新なイメージの「改革派」として名が通っており、2007年8月の知事選で再選を目指していた。

 

そんな上田知事にとって、選挙妨害の悪夢となったのが、『週刊文春』2007年6月28日号の「上田清司埼玉県知事を襲った「トンデモ不倫騒動」」という記事である。

 

上田知事のお相手と報じられたA子は40代で、過去いくつかの新聞や雑誌で活躍し、当時は某週刊誌の専属記者として、芸能などを中心に取材していた。A子に電話取材した時のやりとりが『週刊文春』に載っているので、転載する。

 -そもそも上田氏と付き合い始めたきっかけは?

 

「知り合ったのは2003年春。取材ではなくて、ある会合でした。その後何回か顔を合わす機会があって、お互いを認識し始めた頃、向こうから誘われました。私は当時同棲していた彼氏と別れたばかりだった。最初のデートで彼の知り合いがやっているお芝居を見てご飯を食べに行きました。

彼は庶民的でB級グルメなんです。変わった居酒屋とかお好み焼き屋といった浅草系が大好きなんです。

その後、私の家に来たとき、ピロートークで『埼玉県知事選に出てみようと思う。知事になったら会いにくくなっちゃうね』と言ってました。知事になってからは、二人で会うときは少し気にしている感じでした」

 

知事主任後、上田氏との密会場所はA子さん宅が多かったという。

 

「都内にある私の自宅は埼玉に近いから、週に1回、少なくとも2週に1回は会ってました。会合が終わった後の午後9時頃から会うことが多かった。いつも家にいるのは9時から深夜までの時間帯でした。平日も土日も会いました。本当に忙しかったから、忙しい時間を縫って来てくれていたと思います。

 

クリスマスにはワインを持って来てくれて、家で二人で飲みました。誕生日には『買いに行けないから、これで好きな物を買いなさい』と商品券をもらいました。それで買ったネックレスを、今でも大事に大事に使っています。ホワイトゴールドの3連になっている小さなもので、値段は3万円でした。もらった商品券はもっと高額だったと思います。たまに『何か好きなものを買いなさい』といわれて、商品券やお小遣いをもらい、それで服や大型テレビを買いました」

 

-上田氏既婚者だったが、辛くなかったのか?

 

「私には常に上田先生の家庭に申し訳ないという気持ちがあったし、上田先生も『埼玉県民に対して申し訳ない』とおっしゃっていました。でも、私たちは立場も何も考えないで、とにかく会って愛し合うことしか考えていなかった。私のほうが先生をものすごく好きになってしまったから、私の方にも責任があるし、先生は責められないと思います。お互いに罪悪感で苦しんで苦しんで、2年後に別れたということです。」

 

 A子さんの話を聞いた翌日、式典が拓かれた埼玉県内の養護施設の玄関から出てきた上田氏を『週刊文春』の記者が直撃インタビューした。

 

-A子さんとはどのような関係ですか?

 

「……A子さんのこと?」

 一瞬、上田氏は絶句して立ち止まり、2、3秒ほど空を見上げて何やら考え込んでいる。上田氏の秘書と思われる人物が取材を制そうとしたが、「上田氏の個人的な件なので」と説明すると、上田氏は次のようなことを一言残して車に乗り込んだ。

 

「ちょっと予定がありますから、私から連絡します」

 

後ほど、上田氏が『週刊文春』記者の携帯に、非通知で連絡してきた。

 

上田清司です。お世話になります。用事があったものですみませんでした」

改めてA子さんとの関係を聞いた。

 

-A子さんと不倫関係にありましたね?

 

「A子さんとは3年ほど会っていません。選挙が近くなるとそういった話が出てきますね。そんな話だったら取材は結構です。そういう話は勘弁してください」

 

-A子さんから話を聞きましたが?

「A子さんが何と言おうと、そういうわけのわからない話は結構です。悪いですけど失礼します」

そう言うと、上田氏は一方的に電話を切った。

 

 【ブログ主のコメント】

上田知事と特別な関係にあった週刊誌記者のAは、当時、精神疾患を患っていたこともあり、他の報道機関は本件を全く後追い報道しなかったようである。このため、本件が逆風になることはなく、上田氏は2か月後の2007年8月、難なく2選を果たした。

 

女性記者が取材対象の男性と陥る不倫関係が、ごくごく普通の男女の不倫と違って特に注目を集めやすいのは、女性記者が女の武器を使って相手から内密情報を引き出す「枕取材」「ハニートラップ」に男性側が引っかかったのではないか、と疑いの眼差しが向けられるからである。とりわけ、不倫相手の男性が外交官や警察幹部、高級官僚、大物政治家、大物財界人などであれば、脚光をあびやすい。

 

その点、今回の上田知事と週刊誌記者Aの関係について言えば、ごくごく普通の男女のありふれた色恋沙汰と何ら変わるものではないようで、「枕取材」「ハニートラップ」としての側面はそれほど感じられない。週刊文春の記事でも、このような指摘はなされていない。

 

おそらく、上田知事としては、ちょっとしたお遊びのつもりで女性記者にちょっかいを出したところ、相手の女性記者が上田氏に本気で傾倒してしまい、抜け出せなくなってしまったということだろう。

 

県知事といえば、県内では絶大な権力・行政権限を持つ一国一城の主であるが、知事と女性記者との不適切な関係が「枕取材」やら「ハニートラップ」だと批判されにくいということは、県知事は必ずしも機密性が高い情報を扱う重たい仕事ではないとは見なされていることを意味し、政治学的にも興味深いことである。

 

 ところで、本記事の冒頭で、上田知事のことを「実直でクリーンなイメージをウリにしてきた知事」と書いた。2003年の初出馬には、「多選自粛条例制定」を掲げて当選し、翌年には自身の任期を三期までと定めた多選自粛条例を制定。行財政改革にも積極的に取り組むなど第1期目には「改革派」としての姿勢を全面的に打ち出していた。

 

ところが、2期、3期と任期を重ねる中で、次第に独裁的政治運営の弊害が目立ち県議会でも批判にさらされてきたが、埼玉県民の知事選への関心が低く低投票率の中を無風で当選回数を重ね、2017年には、自身の初期の公約を破って再出馬し、4選を果たしている。

 

権力は長期化すると腐敗するのは必定である。米国の政治制度にも様々な欠陥があるが、大統領の任期を2期8年までと憲法で定め、この規定が長年遵守されてきたことが米国を民主主義国家のリーダーたらしめてきた正当性の根拠でもある。最高権力者が自己の権力を長期化させるため、ルールを変えることは民主主義の全否定である。ロシアしかり、中国しかり、安倍晋三しかり、上田知事しかり。

 

プーチン習近平と全く同じく、多選制限ルールを蹂躙した民主主義の破壊者である上田清司埼玉県知事であるが、2018年4月17日、全国35名の知事の推薦を得て、無投票で全国知事会の会長に就任している。

 

(参考)自らも多選の道を邁進しているのか、多選制限ルールを無視した民主主義の破壊者である上田清司埼玉県知事を支持した知事の面々はこちらを参照のこと。あらら、この中には、上田知事を推薦した直後に、自らの出会い系問題が発覚して退陣に追い込まれた新潟県米田知事も入っているではないか。

http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/20180411-02_suisen_kekka.pdf

 

 全国知事会は、47都道府県知事により構成され、タテマエとしては、「地方自治の擁護」すなわち、国から独立し、政府に対し住民の利益を守るという役割を持つ都道府県相互の連絡提携を維持・強化することを目的としているようだ。47都道府県知事が連携して中央政府国会議員と対峙し、地方分権の推進を目指す、というと聞こえがいいが、要は、中央から地方(知事)への権力奪取、権限移譲(委譲ではない)を目的とした利益団体である。

 

初当選当初、女性記者と不倫関係にあった上田知事ではあるが、女性記者との関係が「枕取材」「ハニートラップ」として騒がれなかったことは内心不満だったに違いない。県知事というのは、女性記者と不倫したところで、「枕取材」「ハニートラップ」として騒がれることのない程度の軽い職業に過ぎないのか、と。

 

どうやら、全国知事会会長として上田知事が目指す政策の方向性は、都道府県知事が女性記者と不倫した場合に、「枕取材」やら「ハニートラップ」だと社会的注目を集めるような、高度に機密性が高い情報を取扱い絶対権力者として君臨できる、そのような強権知事を目指して各都道府県知事が一致団結して中央政府と対決していきましょう、ということのようだ。

 

地方分権が痴呆分権、痴情分権とならないよう、地域住民の一層の監視の目が必要である。

女性記者不倫事件簿 第2号(東国原英夫と日テレ新人女性記者のケース)

【男】宮崎県の東国原英夫知事(49歳)(当時)

 

【女】日本テレビ報道局の新人女性記者(23歳)

 

【明るみに出たきっかけ】

週刊現代』2007年3月10日号(2月25日発売)が報道した

 

【事案の概要】

宮崎県の東国原英夫知事(当時)の宮崎市内の自宅マンションに、女性2人が宿泊していたと『週刊現代』2007年3月10日号が報じている。

 

記事によると2月12日21時頃、宮崎市内のイベント会社の女性社長Aが、政務秘書のクロマニオン吉川氏(元芸人)に先導されて知事のマンションに入ったという。深夜3時には消灯し、翌朝10時まで滞在。同日夜には、日本テレビの新入社員で、報道局に所属し、1カ月以上にわたって知事の密着取材を続けているS記者(23歳)が、同じく政務秘書に連れられて21時頃知事宅に入り、翌朝8時まで過ごした。

 

2人の女性はともにエレベーターに乗り、知事の部屋がある8階で降りた。その後、外部から見えないように廊下の外壁より姿勢を低くして部屋に向かったという。

 

S記者は『週刊現代』の記者に対して、東国原知事の仕事熱心ぶりを語っていたらしいが、記事中では「ここまで知事に傾倒するSさんだからこそ、家に泊まって11時間にもおよぶ”体当たり取材”まで敢行してしまうのだろう」と皮肉られている。

 

日本テレビはこの騒動に対し、「国民の関心事である東国原知事の動向を詳細に伝えるべく、担当記者が熱心に取材を行ったものです。今回、取材については軽率のそしりをまぬがれない部分もあったと考えております」、「知事と食事した後、知事とは別の部屋で休んだ。(記者は)東京の本社と原稿のやりとりをしていた」とコメントを発表している。

 

東国原氏は、記事掲載号の販売前日、自身のブログに「昨夜は、僕の部屋に、週刊朝日の記者や雑誌AERAのフリー記者が泊まっていた。宮崎のホテル等、宿泊施設がどこも一杯でとれなかったらしい。『知事効果のせいですよ』と言われれば、泊めるしかない(笑)。僕の部屋は色んな人が出入りし、毎日のように誰かが訪問され、時には泊まって行かれる。かなり開かれた、透明性の高い部屋なのである(笑)。後援会関係者、支援者・支持者の方々、友人知人、マスコミ関係者、政治関係者、全く知らない人(笑)等・・・・・・多岐に渡る」と綴っている。

 

【ブログ主のコメント】

一般的には、独身男性の自宅に独身女性が入ろうが宿泊しようが、法的にも倫理的にも社会通念上何ら問題はない。根掘り葉掘り詮索することはプライバシーの侵害行為だし、名誉毀損につながりかねない。今回のケースを「不倫」というカテゴリーで括ることには必ずしも適当ではないが、当時東国原氏が知事という公人である立場にあり、また、同氏の女癖の悪さから、疑いの目が向けられた事例であり、「女性記者不倫事件簿」の一事案として扱うことにした。

 

東国原氏の経歴は改めて取り上げるまでもないが、81年にビートたけし氏の一番弟子となり、「たけし軍団」のリーダーとして活躍。86年には、たけし氏らと講談社の写真週刊誌編集部を襲った「フライデー襲撃事件」で社会を騒がせた。

 

東国原氏は好色家としても有名で、女優のかとうかずこと婚姻中の90年にAV女優と浮気し、95年には当時19歳の看護師との不貞行為が発覚した。98年には、都内のイメクラで16歳の少女からサービスを受け淫行疑惑で5か月の謹慎を余儀なくされている。そのほか、ジョギング中にナンパした女性を料理店に誘って女性がふぐ食中毒になったりする騒ぎも起こしている。

 

宮崎県知事を退き、今度は、橋本徹率いる「日本維新の会」の目玉候補として都市部での出馬を検討していた矢先、『週刊文春』2012年9月12日号において、東国原氏は、宮崎県知事時代に県職員、飲食店の娘、東京のOL、女性社長、水商売の女性など少なくとも20人以上の女性と肉体関係を持っていたと報じられている。結果的に、本報道が致命傷となり出馬を断念。(注:東国原氏は文春の記事を「事実無根」と名誉毀損東京地裁に民事提訴。知事時代の女性関係の記述などは事実として認められず、東国原が勝訴している)

 

最近では、東国原氏は、不倫やセクハラを巡って、ハニートラップ説を開陳する傾向にある。2016年2月には、宮崎謙介元衆議院議員の不倫問題が話題となっていたが、同年2月5日放送の『バイキング』に出演し、自らの体験を踏まえ「文春は自社の女性記者がハニートラップを仕掛けてくる」と語っている。

 

また、2018年4月25日には『ゴゴスマ』に出演し、東国原氏は自身の経験を振り返りながら財務省福田淳一事務次官のセクハラ問題について論じている。日刊スポーツの記事を引用しよう。 

東国原氏、女性記者の取材に「僕は心を閉ざします」

 

 元宮崎県知事の東国原英夫氏(60)が、辞任に追い込まれた財務省福田淳一事務次官のセクハラ問題をめぐり“ハニートラップ”説やマスコミ業界の性差別問題が持ち上がっていることを受け、自身の経験を明かした。

 

 東国原氏は25日放送のTBS系「ゴゴスマ」に出演。過去に自身が週刊誌の記者にハニートラップを仕掛けられたという経験を振り返るとともに、「やはり女性記者というのは来ます。各社、女性の記者が多かった。それも若手、キレイ、セクシー。僕びっくりしたくらい。こういう方が記者としているんだって思ったくらい有名3大新聞社にいましたから」と、知事や議員時代に取材に来ていたという女性記者の特徴や印象を語った。

 

 女性記者の取材に「こっちは読めるんですよ、ああ、そういうことで送り込まれて来てるんだって」と警戒していたという東国原氏。「福田事務次官側もわかるはず。若い女性が来たっていうことは何かあるだろうなと思わないのはバカ」とセクハラ発言をしたとされる福田氏をバッサリと切り捨て、「僕は余計、心を閉ざします。くだけた話なんて一切しない、女性記者と」と語った。

 

 「(記者は)24時間ついてくる。どこに移動してもずっとついてくるんですよ。ストーカーで訴えようかと思った」と執拗な取材に悩まされたという東国原氏だが、「それくらい、スクープを取るために必死なんですよ」と理解を示し、「若い女性記者が来て鼻の下伸ばすなんて事務次官として失格ですよ」とあらためて福田氏を批判した。

 

 

どうやら、さすがの東国原氏も、最近では女性記者には懲りて警戒心を抱いているようだ。

 

で、次に、宮崎県知事時代、知事宅にお泊まりした日テレ女性記者についても簡単に触れておこう。先日も言及したとおり、筆者は、決して個人情報を暴く悪趣味系ではないが、公知情報なので、紹介するまでである。

 

2007年2月13日の夜、東国原知事の自宅にお泊まりした日テレ1年生女性記者の名は、鈴木美穂。帰国子女で、慶応義塾大学法学部出身で2006年に日テレ入社。(本論とは全く無関係だけど、同じく帰国子女で、慶応義塾大学法学部出身の業界人としては、3年後輩にフジテレビの松村未央(ダンナは陣内智則)、4年後輩にNHKの田中泉、7年後輩にNHKの保里小百合がいる。いかん、いかん、芸能ゴシップに流れつつあるので、元い)

 

それにしても、才色兼備でお嬢様育ちの鈴木記者が、どうして、東国原のような野獣の家にお泊まりしたのであろうか。若気の至りだったのか、知事に唆され毒牙にかかったのか、それとも仕事一筋でネタを取るため一線を越えてしまったのか。

 

ちなみに、鈴木記者は、入社3年後に乳がんを発症。8ヶ月間の休職期間を経て、職場復帰を果たし、現在に至るまで記者としての仕事に取り組む傍ら、がん患者支援活動に積極的に取り組んでいるようだ。今後の活躍に期待したい。

 

【出典】

・J CASTニュース

 日テレ女性記者 東知事とお泊まり取材

 https://www.j-cast.com/2007/02/26005792.html?p=all

 

・J CASTニュース

 「知事時代に20人以上の女性と肉体関係」 東国原氏は「根拠無根」記事に「刺された」のか

https://www.j-cast.com/2012/09/12146221.html?p=all

  

・LITERA

東国原英夫が“ハニートラップ”よばわりの文春記載に「胸がはだけてた」と…週刊誌の女性記者たちが「侮辱だ」と怒りの声

http://lite-ra.com/2016/02/post-2014.html

 

・女性アナウンサー大図鑑 鈴木美穂

https://joseiana.com/archives/19202

 

・「がんって、不幸ですか?」日テレ報道記者・鈴木美穂氏が語った乳がん闘病から7年間の記録

 https://logmi.jp/72688